...14 ページ14
あれから1週間特に何もなく
いつも通りに過ごしていた。
結局ブラックは執念深いとか言っておきながら
Aの希望通り関わらないようにしているのか。
それとも忙しい彼らだ、
Aのことなど忘れ去っているか。
そのどちらでもいいと思った。
スネイプには一度図書館で会い、
ちょうど持っていた教科書の分からない
ページを教えてもらった。
彼の教え方は分かりやすく
教師に向いているのではと思うくらいだった。
Aがありがとうと言えば
「これくらい解けて当たり前だ。」
と言われてしまった。
『これから昼食に行くけど、スネイプ君は?』
「僕はまだやることがある。行け。」
『忙しいのにごめんね。』
短い会話を交わし、大広間へ向かった。
サラダとチキンを皿に取り分けていると
上から手紙が落ちてきた。
手紙と言うよりは、
ノートの切れ端のようなペラペラな紙。
落ちてきた方を見ると濃い灰色のフクロウが
飛び去っていくのが見えた。
『うげ、忘れてなかったのかよ。』
手紙にはこう書いてあった。
“ 待たせてすまない。
近頃色々と立て込んでてな。
やっと時間が取れそうだ、
明日の15時時計台の下で待っててくれ。
S.B ”
埋め合わせに何をされるかも分からないし
そもそも怪我も治ったしもう
忘れてくれいいのにと思った。
悪戯仕掛け人の中でも女子生徒との噂が
絶えない彼からの呼び出しに
若干の恐怖を抱く。
彼らは何人で来るのだろうか。
万が一でも何らかの罠に
嵌められるようなことは避けたい。
唯一、少し頼れる(といっても勉強のことだけ)
スネイプを呼んで一緒に来てもらおうかとも
考えたが、彼は悪戯仕掛け人のことを
よく思っていないようだった。
(いいや、いざとなったら呪文で対抗だ。)
得意な教科、妖精の呪文学とDADAで習った
呪文を思い返しながら
皿に残っていたチキンを頬張った。
95人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:maya.t | 作成日時:2020年10月30日 15時