101話だ ページ42
期末テストを数日後に控えたある日。
俺は借りてた本を返しに本校舎の図書室を訪れていた。
実はこの本、浅野がオススメしてくれた学習書なんだよな。
流石浅野が教えてくれたモノだけあって要点が分かりやすくまとめられていてとても為になった。
本を返し終えると、なんか図書室の奥が騒がしいのに気付いた。
なんとなく声がする方に向かってみると、E組の皆と、浅野を除く五英傑の奴らが言い争ってるのが見えた。
あー…そういや磯貝が今日図書室のチケット手に入れたから行こうっつってたっけ。
「腐すばかりでは見逃すよ小山。御覧、どんな掃き溜めにも鶴がいる」
サラッ、と有希子の髪に指を通す榊原。
茅野さんと渚が榊原の背後に立つ俺の存在に気付いた。
二人はこれから起こるであろう事態を予測して顔を青くする。
「もったいない…学力があれば僕に釣り合う容姿なのに。うちに小間遣いとして奉公に…グボアッ！？」
「あ、ごめんね〜なんか辞書の角を叩きつけたいクソみたいな刈り上げ頭が目に入ったから〜」
有希子の髪に気安く触れる変態の頭に一発制裁を食らわす。
今日のハーフアップ一体誰がセットしたと思ってんだ。汚ェ手で触んな。
「お、お前は五十嵐…！何でこんな所に…！！」
「図書室にいるんだから借りてた本返しに来たのと借りに来たに決まってんだろ。そんな事も分かんねーの？頭悪いな」
「なんだと！？」
「しかも図書室でE組に喧嘩売ってこの騒ぎ。揚げ句勝手にテストの勝負持ち掛けて…これ、お前らのリーダーは把握してんの？」
「…っ！！」
五英傑の奴らは俺の言葉にハッとして周りを見渡す。
図書室を利用していた生徒達は好奇心からこっちを見ている。
明らかに悪目立ちしている。
しかも五英傑のリーダーである浅野に何の相談も無しに決めたこの勝負。
流石にマズイんじゃね？
「報告、連絡、相談は基本だぞー。五英傑の皆さん？」
「…クソッ！！」
「じょっ…上等だよ受けるんだなこの勝負！！
死ぬよりキツい命令を与えてやるぜ！！」
捨て台詞を吐きながら五英傑の奴らは去って行った。
「なんか妙な事になったな…。
全く、五十嵐もあんまり煽るような事言わないでくれよ」
えーだって最初に喧嘩売ってきたのあっちじゃん。
「でもカッコよかったよ！五十嵐さん！」
「そーそー。アイツらったら、五十嵐ちゃんの言葉聞いた途端黙っちゃって傑作！！」
「ありがとうAちゃん」
そりゃ良かった。
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蒼卯(プロフ) - 紅華妃さん» 応援ありがとうございます( *´艸｀) (2019年3月31日 13時) (
レス) id: 1c3229ef9f (このIDを非表示/違反報告)
蒼卯(プロフ) - 浅野月愛さん» ありがとうございます(*^^*)頑張ります！ (2019年3月31日 13時) (レス) id: 1c3229ef9f (このIDを非表示/違反報告)
紅華妃 - 面白くて何度も読んじゃいました！浅野君との絡みがサイコーに面白くて読んでてとてもドキドキしちゃいました(^ ^)これからも応援してます！ (2019年1月31日 20時) (レス) id: d91252218e (このIDを非表示/違反報告)
浅野月愛 - 本当この話大好きです！面白いけどちょっとドキドキする感じが最高です。更新頑張ってください！ (2019年1月28日 19時) (レス) id: e6ca85b3e9 (このIDを非表示/違反報告)
蒼卯(プロフ) - 紅姫さん» ありがとうございます( *´艸｀)今後もっと浅野君との絡みが増える予定なのでお楽しみに！ (2019年1月27日 23時) (レス) id: 1c3229ef9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼卯 | 作成日時：2016年12月30日 22時
