99話だ ページ40
最近寺坂はいつにも増して機嫌が悪い。
殺せんせーが気にくわなくて嫌がらせでプールにゴミを捨てたり、教室でスプレー缶を投げて発射させたり。
そのせいでクラスメイト達からも煙たがられ、クラスで孤立しているようだ。
「てめーらも全員手伝え！！俺がこいつを水ン中に叩き落としてやッからよ！！」
そんな中での寺坂の暗殺計画。
当然誰も乗り気ではなかった。
ガタッ
「あれ？Aちゃん行くの？」
「いいよ行くことないって！」
皆に引き止められたけど…
「だって放っとけないじゃん」
何だかんだ寺坂とは長い付き合いだ。馬鹿で考えなしのアイツが一人で暗殺の明確なプランを立てているとは思えない。
どうもなんか引っ掛かる。
クラスの皆は行きたくなさそうだったが、殺せんせーの粘液に足止めされ行かざるを得なくなった。
ーーー
寺坂が皆を適当にプールに散らばし、殺せんせーと一言、二言話している間も、胸に引っ掛かりを覚えた。
そうして寺坂が銃の引き金を引いた途端、俺はハッと思い出した。
そう、あの銃を打つと…
ドグァッ！！
思い出した時には既に遅く、プールの堰が発砲の合図で破壊され、俺達は渦の中に飲み込まれた。
すかさず殺せんせーが皆を救出するも、全員を助ける頃には殺せんせーの触手は水でぷっくり膨らんでしまっていた。
そこに待ち構えていたのは前より触手の力を強化したイトナ。
殺せんせーは必死に応戦している。
「まじかよ…あの爆破はあの二人が仕組んでたとは」
「でも押されすぎな気がする。あの程度の水のハンデはなんとかなるんじゃ？」
「水だけのせいじゃねー。力を発揮できねーのは、おまえらを助けたからよ。見ろタコの頭上」
触手の射程圏内に、村松、吉田が崖に、原さんは木に必死にしがみついていた。
殺せんせーはそれを気にして戦いに集中出来ないらしい。
「目標もビジョンも無ぇ短絡的な奴は……頭の良い奴に操られる運命なんだよ。…だがよ。操られる相手ぐらいは選びてえ」
そう言って寺坂は赤羽の目の前まで来ると、その胸を右の拳で強く打った。
「だからカルマ！テメーが俺を操ってみろや。その狡猾なオツムで俺に作戦与えてみろ！！カンペキに実行してあそこにいるのを助けてやらァ！！」
「良いけど……実行できんの俺の作戦？死ぬかもよ」
「やってやンよ。こちとら実績持ってる実行犯だぜ」
そう言って啖呵を切った寺坂が、珍しく頼もしく見えて、俺はフッと口元を緩めた。
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蒼卯(プロフ) - 紅華妃さん» 応援ありがとうございます( *´艸｀) (2019年3月31日 13時) (
レス) id: 1c3229ef9f (このIDを非表示/違反報告)
蒼卯(プロフ) - 浅野月愛さん» ありがとうございます(*^^*)頑張ります！ (2019年3月31日 13時) (レス) id: 1c3229ef9f (このIDを非表示/違反報告)
紅華妃 - 面白くて何度も読んじゃいました！浅野君との絡みがサイコーに面白くて読んでてとてもドキドキしちゃいました(^ ^)これからも応援してます！ (2019年1月31日 20時) (レス) id: d91252218e (このIDを非表示/違反報告)
浅野月愛 - 本当この話大好きです！面白いけどちょっとドキドキする感じが最高です。更新頑張ってください！ (2019年1月28日 19時) (レス) id: e6ca85b3e9 (このIDを非表示/違反報告)
蒼卯(プロフ) - 紅姫さん» ありがとうございます( *´艸｀)今後もっと浅野君との絡みが増える予定なのでお楽しみに！ (2019年1月27日 23時) (レス) id: 1c3229ef9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼卯 | 作成日時：2016年12月30日 22時
