81話です ページ15
倒したと思った不良の人が、ナイフを持って私に襲っいかかってくる姿が目に入ったと思ったら、その直後に不良の人は視界から消えた。
Aちゃんが鳩尾を思いっきり蹴飛ばしたからだ。
その後もAちゃんは杉野君や渚君の制止を無視し、木刀を降り下ろし続けていた。
あの日の光景がフラッシュバックする。
もう、何もしないで見ているのは嫌だ。
「もう止めてAちゃん！」
私は必死でAちゃんにしがみついた。
Aちゃんは木刀を降り下ろす手を止めた。
「ごめんね、Aちゃん」
Aちゃんは何も言わない。
私はそのまま話し続けた。
「私…いつもAちゃんに助けて貰ってばかりで、Aちゃんばっかり傷つけて…」
ぎゅっと抱きしめる腕に力が入る。
「私あの日、Aちゃんが躊躇無く女の子を殴るのを見て…私がAちゃんにこんな事させたんだと思ったら、怖くなっちゃって…」
腕が震える。
「私がAちゃんに近づけば、またAちゃんに嫌な事させちゃうかもしれないって思ったら、怖くて連絡も出来なかった…。」
「ーーー」
「でも私が何もしないことで、Aちゃんをもっと傷つける事になるのを、私…分かってなかった」
あの時、今みたいにAちゃんを止められたら。
あの後、ちゃんとAちゃんと話し合っていたら。
「ごめんね、Aちゃん…本当にごめ…」
「もういいよ、もういいから」
私の言葉を遮って、Aちゃんが私の手をそっと下ろした。
そしてわしゃわしゃと私の頭を撫でると、
「俺もごめんな」
そう言って優しく笑ってくれた。
久々に向けられたその笑顔を見て、私の目から涙が溢れた。
ーーー
「さて」
私が落ち着くと、Aちゃんは私を刺そうとした不良の人に向き直る。
「ま、待ってAちゃん！もう殴るのは…」
「わぁーってるよ落ち着け」
止めようとするとデコピンされた。
「有希子の言う通り、殴るのはやめる。その代わり…」
Aちゃんはスマホに指を何度かスライドさせると、不良の人に画面を見せた。
不良の人はそれを見て真っ青になってるけど…。
何を見せたんだろう。
「今後俺のダチに手ェ出したらお前の家族、友人、高校先は勿論、お前の住んでる地域全体にこの写真ばらまくからな。」
脅えた顔でコクコク頷く不良の人。
「…Aちゃん、一体何を見せたの？」
「秘密」
まあ何にせよ、Aちゃんと仲直り出来て良かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 494人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼卯(プロフ) - 紅華妃さん» 応援ありがとうございます( *´艸｀) (2019年3月31日 13時) (
レス) id: 1c3229ef9f (このIDを非表示/違反報告)
蒼卯(プロフ) - 浅野月愛さん» ありがとうございます(*^^*)頑張ります！ (2019年3月31日 13時) (レス) id: 1c3229ef9f (このIDを非表示/違反報告)
紅華妃 - 面白くて何度も読んじゃいました！浅野君との絡みがサイコーに面白くて読んでてとてもドキドキしちゃいました(^ ^)これからも応援してます！ (2019年1月31日 20時) (レス) id: d91252218e (このIDを非表示/違反報告)
浅野月愛 - 本当この話大好きです！面白いけどちょっとドキドキする感じが最高です。更新頑張ってください！ (2019年1月28日 19時) (レス) id: e6ca85b3e9 (このIDを非表示/違反報告)
蒼卯(プロフ) - 紅姫さん» ありがとうございます( *´艸｀)今後もっと浅野君との絡みが増える予定なのでお楽しみに！ (2019年1月27日 23時) (レス) id: 1c3229ef9f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼卯 | 作成日時：2016年12月30日 22時
