79話です ページ12
神崎side
高校生達に連れ去られ、廃墟のような場所で放り出された。
『ツレに収集かける』と言っていたので、どうやらそれまでは何もしないみたいだけど…
「…神崎さん、そういえばちょっと意外。
さっきの写真…真面目な神崎さんもああいう時期あったんだね」
「…うん」
半年くらい前の事なのに、今でもハッキリ覚えてる。
「うちは父親が厳しくてね。良い学歴良い職業…良い肩書きばかり求めてくるの。」
だから、家にいるのはとても窮屈だった。
「そんな肩書生活から離れたくて、名門の制服も脱ぎたくて、知ってる人がいない場所で格好も変えて遊んでたの。
…Aちゃんと」
「…えっ？神崎さん五十嵐さんと仲良かったっけ？クラスでもあんまり話してなかったよね？」
「…うん。3年に上がるちょっと前までは仲良かったの。
Aちゃんはいつも私を心配してくれて、東京のゲーセンにも私一人じゃ心配だからって、一緒に付き合ってくれたの。」
私はいつもAちゃんに助けて貰ってばかりで、いつもAちゃんばかり傷つけて。
あの日も、いじめられてる私を助けてくれたAちゃんを怯えた目で見てしまったから、Aちゃんを傷つけた。
私はなんて無力なんだろう。
今だって、殴られてる茅野さんを助ける事も出来ない。
「お前らの話聞いてて思い出したぜ。
そーかあの女、Aっつーのか」
茅野さんの首から手を離すと、唐突にその人は話しだした。
あの女…？
「何でAちゃんを知ってるの…？」
「お前を拐おうとしてたら逃がしちまったっつったろ。お前のツレの女に邪魔されたんだよ。」
「…！！」
「ひっでーよなぁ。俺のこの傷、その女にやられたんだぜ。今思い返しても腸煮えくり返るのなんのって。」
その人は左のこめかみにある傷を指差してそう言った。
…知らなかった。
私の行動でまたAちゃんに嫌な事させて…
「だからさぁ…この傷の治療費と慰謝料、アンタが払ってくんない？………身体でさぁ」
ゾクッ…と身体に鳥肌がたつ。
「嫌っ…！！離して！！」
「おい、お前ら手足押さえとけ」
「了解〜」
「神崎さん！！ちょっとアンタ達、やめなさいよ！！」
不良の人の手が、私の身体に触れようとした。
ガッ！！
その手は私に触れる事なく、鈍い音を立てて不良の人は崩れ落ちた。
「テメェ有希子に何してやがんだ…あ゛ぁ？」
切れ長の大きな目。木刀を構えるその姿は…
「A、ちゃん…？」
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蒼卯(プロフ) - 紅華妃さん» 応援ありがとうございます( *´艸｀) (2019年3月31日 13時) (
レス) id: 1c3229ef9f (このIDを非表示/違反報告)
蒼卯(プロフ) - 浅野月愛さん» ありがとうございます(*^^*)頑張ります！ (2019年3月31日 13時) (レス) id: 1c3229ef9f (このIDを非表示/違反報告)
紅華妃 - 面白くて何度も読んじゃいました！浅野君との絡みがサイコーに面白くて読んでてとてもドキドキしちゃいました(^ ^)これからも応援してます！ (2019年1月31日 20時) (レス) id: d91252218e (このIDを非表示/違反報告)
浅野月愛 - 本当この話大好きです！面白いけどちょっとドキドキする感じが最高です。更新頑張ってください！ (2019年1月28日 19時) (レス) id: e6ca85b3e9 (このIDを非表示/違反報告)
蒼卯(プロフ) - 紅姫さん» ありがとうございます( *´艸｀)今後もっと浅野君との絡みが増える予定なのでお楽しみに！ (2019年1月27日 23時) (レス) id: 1c3229ef9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼卯 | 作成日時：2016年12月30日 22時
