五色兄妹物語*番外編2

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『今日はそれを言うためだけに私に会いに来たん
　ですか』



矢「何? 今日の誘いもデートだと思ってた?

　今まで男にチヤホヤされてきたからそうゆう感覚
　鈍ってんの?」



『何なんですか、人の話も聞かずにペラペラと

　私のこと何も知らないくせに清純だとか不純だとか
　うざったいんですよ…! 見た目だけで簡単に決め
　つけないでくださいっ』


矢「!!」



『国見君とは本当に何も無いし、矢巾さんが勘違い
　してるような事は一切ありませんから!

　……もういや…っ』


矢「!? えっ あ…」



俺の悪い癖で責めると止まらなくなる


それに腹を立てたAちゃんのいきなりの反論に驚いて
ぽかーんとしていたら突然泣き出したAちゃん



矢「一回落ちつこう Aちゃんも呼吸整えた方が…

　って、大丈夫か…!?」


『はぁっ はぁっ…』



ちょっと前に少し顔が赤いとは思ったけど


今は顔色が青くて明らかに体調が悪いのが分かった


お店を出ようにもこんな状態で歩けるわけが無いだろうし、でもどこかで休ませないと



矢「Aちゃん」


『やっ…』



背中を擦ろうとしたらあからさまに拒まれた



『…大丈夫ですから、もう帰ってください』


矢「そんな状態で一人で帰らせる男がどこにいんだよ」



『矢巾さんは嫌です』


矢「はぁ!?」



確かにこの子は全然清純でも何でもない


更にぜんっぜん可愛げが無い!



矢「…!」



よく見れば肩が小刻みに震えていた



矢「…ほら」



ベタだけど、俺は自分が着ていた上着を脱いでAちゃん
の肩に被せた



『…別に寒くないです』


矢「震えてるけど?」


『……』



大人しくなった


と思えば目を瞑っていて、多分寝たのか?



矢「…おーい」



肩をつついてみた



『んんっ』



睡眠の邪魔すんなと言わんばかりに眉間にシワを寄せて
そのまま寝るAちゃん



矢「こんの…… はぁ」



ため息をつきつつも、その可愛い寝顔を眺める


そうそう、初めて会った時も今みたいに大人しくて
可愛い女の子だったのになあ



　

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