【ky】俺の唯一怖いもの

11日目 ページ12

『はーーなんかスッキリした。さすがレトくんだわ』


2時間もうだうだ悩んで走り続けたのが馬鹿みたいだ。


もうすっかり気持ちは晴れていた。


ちゃんと応援しよう。先輩として、友達として。







そう思っていたのに……


「あれ？A先輩？」


『え』


その呼び方する奴は1人しか居ないぞ…


キヨ「奇遇っすね。先輩もランニング？」


『あぁ、まあうん。今終わって帰るとこだけど』


キヨ「まじか。じゃあ俺もそろそろ帰ろっかな…」


『もう暗いしね〜』


大丈夫、落ち着け、気持ちの整理ならさっきついたじゃないか


ちゃんと"いつも通り"にしなきゃ


キヨ「あ、つか先輩ジャージ」


『これは兄貴のお下がりの……』


キヨ「まじ？ほらこれ、俺もジャージ一緒」


そう言うとキヨはアディダスのマークを指さし笑った


キヨ「おそろい！先輩ととか嫌なんすけどー笑」


『……』


こういうとこだよな、キヨって。


『ほんっっっとお前嫌……』


キヨ「はぁ！？そんなに俺とおそろい嫌なのかよ！？」


『先に嫌って言ったのそっちでしょ笑てかそうじゃないし』


キヨ「んだそれ…わけわかんねぇっす」


『あー拗ねた』


キヨ「拗ねてねぇ！！！」


あぁ、やっぱり


『私、好きだわ』


キヨ「…えっ？」


『このジャージ』


キヨ「あ、あぁそっすね、俺も、」


『何照れてんだよ笑』


キヨ「俺のこと言われたのかと思って、笑」


『とんだ自意識過剰野郎だな』


彼女いるのにそんな顔しちゃダメだろバーカ

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