男装してても心は女。【佐野万次郎】

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何も見えねえ。



全部白い。



体が動いてるのと誰かに呼ばれているのは分かる。



でも、体の主導権を奪われたように何も出来ねえ。



『自分が分からねえ・・・泣』



自分が何をしたいのか、なんで生きてるのか、全部わからなくなってくる。



『助けてくれ・・・真一郎』



武道side



マイキー君を殴り続ける蓮さん。



マイキー君の次は蓮さんかよ・・・！！



マイキー君の意識も朦朧としてきている。



「蓮さん！！もうやめてください！！」



マイキー君の前に出る。



俺があの時動いていれば、こんな事にはならなかったんだ！



ドガッゴッ



何回呼んでも反応してくれない。



蓮さんごめんなさい。



全部任せてごめんなさい。



俺、あんたと仲良くなりてえよ。



「蓮・・・さん。」



「蓮！！」



動きが止まった。



顔をよく見ると蓮さんは泣いていた。



「すいません、全部全部任せっきりで。場地君が死んでも涙流さないから、それに甘えてました。」



胸の内をすべて話した。



「知り合いが死んだのに大丈夫な人なんていない。我慢してたんすよね。気づかなくてすいません。」



「会ったばかりだけど蓮さんはいい人ってわかります。俺、蓮さんと仲良くなりたいです。」



だから、蓮さん。



「戻ってきてください。」



蓮side



「蓮！」



懐かしい声で呼ばれた気がした。



声を聴いたとたんに視界が開けた。



目の前には武道がいて俺に向かって謝っていた。



最後、戻ってきてくださいと武道が言ったとたん体の主導権が戻ってきた。



『武道・・・ありがとな。お前のお陰で戻ってこれた』



武「蓮さん・・・！」

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