男装してても心は女。【佐野万次郎】

出会い ページ1

『ふんふんふーん』



ﾋﾟﾛﾋﾟﾛ



町を歩いていたら、電話がなった。



『はーい、もしもし？』



相手を確認せずに電話に出た。



モブ「おい！蓮！てめぇよくも！」



急すぎる大きな声に携帯を耳から離す。



『うっせぇよ！声の大きさ考えろ！』



モブ「おまえ、何てことしてくれたんだよ！」



話聞いてねーな。



そうだ。こいつ、前に依頼してきたやつか。



『何の事かわかんねぇよ！』



モブ「俺は、依頼であるチームを潰すのを手伝ってくれっていったんだ！」



は？依頼通りこの前潰したぞ？



『潰したじゃねぇかよ！』



モブ「俺は手伝えって言ったんだ！一人でやれとは言ってねぇ！」



うるせぇ。



気づくと、大きな道場前にいた。



佐野道場？



モブ「おい、聞いてんのか！」



そのとき、道場の大きな門から二人組が出てきた。



うわ、片方でか、そして片方ちっちゃ！



モブ「おい！蓮！」



あー、イライラしてきた。



『うるせぇってんだろ！』



出てきた二人組がこちらを見る。



『カタルシスだろ！？依頼通りそのチームは潰したんだからいいだろぉが！どんなチームかと下見に行ったら相手に見つかって、300か400ぐれぇのちいせぇチームだったから、もうやっちまおうって思って一人でやったんだよ！』



疲れた。



『とにかく、依頼は達成したんだから、もう文句言うな！』



黙るモブ･･･



モブ「すまん･･･じゃあ、次、東卍潰しを手伝って･･･」



は？東卍だぁ？



『開き直んな！東卍ってあの小せぇチームだろ？自分達でどうにかしろや！もう絶対ぇお前の依頼受けねぇ！』



ﾋﾟｯ



電話を切って歩き出す。



？？「おい、お前。」



誰かに呼び止められた。



振り返るとあの二人組。



『あ”ー、すいません、ギャーギャー騒いで。』



そう言って歩き出す。



？？「その事じゃねぇよ。」



は？じゃあどのことだよ。



？？「お前、カタルシス一人で潰したって本当か？」



『そうだけど。』



なんだこいつ、面倒くせぇ。



真顔で近づいてきた。



『まじでなんすか？』



喧嘩なら買うぞ☆



俺の前で止まり、



？？「お前、強ぇな！」



ニカッと笑ってそう言った。



それが、これから恋する男との出会いだった。

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