人の子愛好家【twst/男主】 (ページ1)

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某日、ナイトレイブンカレッジ。
異世界から来てしまった監督生Aと喋る魔獣グリムは毎日のように問題が起きるこの場で学友たちと学び励んでいる。

ハーツラビュルでのオーバーブロット騒ぎやマジフト大会での事件を乗り越え改めて「自分の労働環境酷過ぎないか？」と悩んでいた
ただ実家はこの世界のどこにも無いし、住む場所は負担してもらってるしで中々文句も言えない状態

百歩譲ってそこはいいとして共に行動しているエースとデュースは口を開けば言い合い喧嘩比べっこに勝負、グリムは「オレ様の言うこと聞くんだゾ〜！」と耳を引っ張り肩に乗り人の飯を奪っていく…そんな感じで静かな時なんてまっったくありゃしない
そう、癒しが足りんのだ癒しが欲しい癒しが

「この際どでかいドラゴンでもなんでもいい…何か…優しく静かなもの…」
『おや、人の子…おつかれよのうだね？』

机に伏して呪詛のようにぽつぽつダラダラだれていると、上から子守唄のような声が語りかけてくる。驚いて顔を上げると
パッツンに切り揃えられた髪、かつての故郷を思わせる長春色。
愛おしそうに細められた瞳は油断をすると堕ちてしまいそうな青をしていた。

「え、ぁ…！？ぇ…！？」

この学校で中々見ない顔、そしてよく見ると浮いている…しとんでもなくでかい
どこぞの双子と同じくらいかそれ以上だ…でも顔は幼く、細められていた瞳も大きくこちらを映している

『フフフ…そんなに驚かなくてもよいではないか。嗚呼、愛しいね…人の子…♪』

突然のことに思考を停止させていると大きな手で頭を撫でられる

『…おや？随分とお疲れのようだね…
まあ、あの元気な人の子に魔獣に最近の騒ぎと…色々なものに好かれていたら貯まるものも貯まるか…』

「あの、えっ…と、どなたです…か？」

触れただけでこちらが疲れていることに気づいたことに驚きながら彼を観察する。
纏う雰囲気は優しいのに、どこか冷たく圧を感じるのが少し怖かった
…恐る恐る質問をするとおや、自己紹介がまだだったね？と撫でる手を止め地に足をつけた。

『私は、アローン…アローン・フェイマス。君たちのような"人の子"が好きなただの学生さ…♪』