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大っ嫌いのワードが効いたのか、引かない態度が気に障ったのか、不良達が近づいてくる。
一歩、一歩近づいてくる度に鳴る砂利の音に比例して心臓が強く鳴るのを隠そうと、意地になって睨み上げた。
「悪いことは言わねぇ。その綺麗な顔腫れさせたくなきゃ今の内に帰ったほうがいいぜ」
「痛い目見る前に女はとっとと帰んな」
『……』
もうだめだ。ここまできたら私ももう後には引けない。
絶対コイツのためなんかに泣かない。
窮地に陥って思い出したのは、くしゃくしゃパーマで垂れ目の笑顔。
"目一杯平気なフリして笑うんだ"
リョーちゃんは私にそう言った。今思えばあれは、ソーちゃんの受け売りだったけど。
だから、思いっきり笑って言ってやったのだ。
『アンタ達なんて怖いもんか!!るかちゃんを殴ったこと謝るまで、ぜーったい帰らない!!!』
「この女……」
「その整ったツラどこまで歪むかな。やってみるか」
『るかちゃんはすごいんだから。すっごくバスケ上手いんだから!!』
「!!」
転校してしばらく経った頃だっただろうか。小学校のミニバスで、彼のプレーを見た。
彼のバスケは凄かった。それはもう、凄いという言葉だけで表すには失礼な程だった。
観客の視線を奪う苛烈なプレーも、誰にも負けたくないという勝利への貪欲さも、バスケに対する飽くなき向上心も。
彼が懸命に積み上げてきたこれまでの全てを、こんな奴らに台無しにされていい訳がない。
こんな身勝手な理由で人を殴るような奴に、奪われていい訳がないのだ。
「バスケぇ？笑わせんな。今は関係ねー奴がしゃしゃり出てくる時じゃねーんだよ」
『関係なくないもん友達だもん!!!弱いものいじめ反対!!!』
「おい、誰が弱いものだ」
『そんなとこ食いつかないでよ!!今怒ってるの!!!──』
守っていたはずが食いついてきた彼にヤケになって言い返すと、左腕を強く掴まれた感覚に一瞬息が止まった。
逃げられないと一瞬で脳が判断してしまうくらい大きな手と、きっと自分とは比べものにならない握力。
「どうした、怖くなったか？こんな細っこい腕で何ができるって？」
『離せ暴力男!!!』
ああ、もうダメだ。
どうにでもなってしまえ、と掴まれてない方の拳を振り下ろした。
私の渾身のパンチは、小石でも跳ね飛ばすように男の胸板に跳ね返された。
こんなことならリョーちゃんに喧嘩のしかた、教えてもらっとくんだった。
今更思い出したってもう遅いのに。
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玲生(プロフ) - 調べてみたらリョータと同じ市で泣いた (12月10日 22時) (
レス) @page11 id: 7f34fd14ff (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - なーすさん» ご指摘ありがとうございます…!!腎臓ですね…笑修正しておきます😖 (10月24日 1時) (レス) id: 64806ac4ef (このIDを非表示/違反報告)
なーす - 楽しく読んでおります。でも、２つある臓器は、肝臓ではなく腎臓です(笑) (10月17日 23時) (レス) @page33 id: 10ce8bde32 (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - 生粋のまよらーさん» コメントありがとうございます❕嬉しいお言葉が励みです😖リョータとの再会は力を入れなくてはですね…!続編もお時間がある時に覗いていってくださると嬉しいです…!! (2023年4月23日 1時) (レス) id: 05f236e790 (このIDを非表示/違反報告)
生粋のまよらー(プロフ) - 最高に面白くて、すぐお気に入り登録してしまいました！！メープルシロップ色の髪と目は最強ですよね……高校に入ったということはそろそろリョータにも会うんですかね？？その時が楽しみすぎて…😭これからも更新頑張って下さい！応援しています！ (2023年4月16日 21時) (レス) id: 3e4069aada (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Uo | 作成日時：2023年2月13日 14時
