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彼と同じ方向に歩いて行った男子生徒達。
面白みのない学ランを派手に着崩して髪を固めた、体格からして明らかに先輩。
『……』
『……いや、ちょっと見てみるだけですし。別にそういうんじゃないですから。ふんだ』
誰にでもない言い訳はとりあえず言わせてほしい。
最近ハマっている漫画の忍者さながらの忍び足で校舎に隠れながら顔だけ覗かせると、そこにはやっぱり見るからに不良がいた。
そしてその奥に、彼。
女子に囲まれた後はゴツい先輩に囲まれるなんて、彼もなかなか苦労人だ。
何も彼が望んだことじゃないだろう。頭だけひょっこりと校舎から覗かせて見ていると、先輩の一人が唾が飛びそうな剣幕で彼に迫っているのが見えた。
間違いない。喧嘩だ。
これでもし彼らが楽しくお茶会でも始めたら私は全校生徒の前で腹踊りしてもいい。
『………いや腹踊りはさすがにまずいかも』
入学してこの短期間で、彼は怖い先輩たちに目をつけられるようなことをしてしまったんだろうか。
その時、器具庫の方で大きな物音がした。重く響いた、まるで人を殴ったような音のほうを見ると、背中を蹴り飛ばされて、よろめく彼がいた。
『──!!』
殴られた口元に滲んだ赤色──血だ。
そう思った時には既に、足が動いていた。
『うっわ!でっかいクセに大勢で一人に喧嘩売るとか、まじだっせぇー!!!』
「あ？」
「んだと……？コイツ、この一年の知り合いか？」
「は──？オマエ……」
足だけじゃなく、勝手に口も動いてしまっていたようだ。
彼が珍しく無表情を崩して驚いた顔でこっちを見てるけど、もはや目を合わせてる余裕もない。
わはは、言ってやったぞ、悪者め。
自分より頭一つ以上も大きな相手を見上げた。
「なんだ、よく見りゃいい女じゃねーか。度胸ある女は嫌いじゃねぇ。俺の好みだな」
「俺もだ。それで睨んでるつもりか？可愛いもんだ」
『……失礼な、よく見なくても完璧にいい女です』
先輩はニ人。彼は勿論一人。
『(るかちゃん……!!)』
頼む、今のうちに逃げて…!!!
プライドとかとりあえず捨ててスタコラサッサと逃げてくれ!!!!
「ふっ、自信のある女も嫌いじゃねぇな」
『アンタみたいな暴力男に好かれたって毛ほども嬉しくない。この人のこと殴って蹴ったこと謝ってよ』
「……あ？」
「おい女、今何つった？」
『私はアンタみたいなヤツ大っ嫌い。私の友達に暴力振るったこと謝って!!!』
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玲生(プロフ) - 調べてみたらリョータと同じ市で泣いた (12月10日 22時) (
レス) @page11 id: 7f34fd14ff (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - なーすさん» ご指摘ありがとうございます…!!腎臓ですね…笑修正しておきます😖 (10月24日 1時) (レス) id: 64806ac4ef (このIDを非表示/違反報告)
なーす - 楽しく読んでおります。でも、２つある臓器は、肝臓ではなく腎臓です(笑) (10月17日 23時) (レス) @page33 id: 10ce8bde32 (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - 生粋のまよらーさん» コメントありがとうございます❕嬉しいお言葉が励みです😖リョータとの再会は力を入れなくてはですね…!続編もお時間がある時に覗いていってくださると嬉しいです…!! (2023年4月23日 1時) (レス) id: 05f236e790 (このIDを非表示/違反報告)
生粋のまよらー(プロフ) - 最高に面白くて、すぐお気に入り登録してしまいました！！メープルシロップ色の髪と目は最強ですよね……高校に入ったということはそろそろリョータにも会うんですかね？？その時が楽しみすぎて…😭これからも更新頑張って下さい！応援しています！ (2023年4月16日 21時) (レス) id: 3e4069aada (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Uo | 作成日時：2023年2月13日 14時
