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指を折って数えていた彼女が顔を上げて、その小さな顔一杯に眩しい笑みを浮かべて言った。
『富ヶ丘中出身スター選手、流川楓!!──へへ、でーじかっこいいやし!』
「……」
目の前がチカチカするくらい、彼女の笑顔が眩しい。
テンションが上がったり、気を許すとたまに出てくる方言が可愛い。
ぴょこぴょこ揺れるメープルシロップが愛おしい。
「同じ高校がいい」
『お？気が早いなぁ〜、まだ二年も先だよ』
「二年なんてすぐだろ」
『そんなお母さんみたいなこと言わないでよ。だいたいるかちゃん勉強できないし』
「……英語…ならギリできる」
『嘘つけこの下睫毛め』
最近彼女の中で流行りの悪口"下睫毛"。
『長くていいなあ』と何度も言われたけど、「俺はそのメープルシロップみたいな目が一番いいと思う」とは言わなかった。
言えなかった、の方が正しいけど。
「嘘じゃねー、洋楽聞いてる」
『聞いてるだけやし』
「……にゃろう」
全くもって、言い返せない。
「……ベンキョウは、頑張る。オマエと同じ高校行けるくらいには。だから──」
『……』
彼女が口をつぐむ。
いつもお喋りなその口が閉じるのはいつも嫌だった。
笑っていてほしいのに、今彼女にこんな顔をさせたのは自分だ。
『……ごめん。そういう約束は簡単にしないって決めたんだよね』
「……」
"りょーちゃん"のことを思い出してるんだとすぐに分かった。
でも、分かったところでどうしようもない。
"りょーちゃん"の話をする彼女はいつも楽しそうで、懐かしそうで、それで少し悲しそうだから。
「そんな男のことを思い出すのはやめろ」なんて、言えるはずもなかった。
俺はオマエになら嘘つかれてもいい。
「(……これもちげー)」
"りょーちゃん"を悪く言えば、彼女も傷つくだろう。
それにそんなこと言ったら、これから日常生活の至る所で嘘を小出しにつかれていじられそうだ。
だから結局、
「……スター選手に二言はねぇ」
結局、そんなことしか言えなかった。
それでも彼女は一瞬驚いてから、メープルシロップ色の瞳を優しく細めて笑った。
その目も、最近部活の時は一つにまとめた髪も、たまに出る方言も、やっぱり可愛くて、やっぱり好きだ。
「……」
"りょーちゃん"より、好きだ。
俺の方が絶対好きだ。
✳︎
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玲生(プロフ) - 調べてみたらリョータと同じ市で泣いた (12月10日 22時) (
レス) @page11 id: 7f34fd14ff (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - なーすさん» ご指摘ありがとうございます…!!腎臓ですね…笑修正しておきます😖 (10月24日 1時) (レス) id: 64806ac4ef (このIDを非表示/違反報告)
なーす - 楽しく読んでおります。でも、２つある臓器は、肝臓ではなく腎臓です(笑) (10月17日 23時) (レス) @page33 id: 10ce8bde32 (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - 生粋のまよらーさん» コメントありがとうございます❕嬉しいお言葉が励みです😖リョータとの再会は力を入れなくてはですね…!続編もお時間がある時に覗いていってくださると嬉しいです…!! (2023年4月23日 1時) (レス) id: 05f236e790 (このIDを非表示/違反報告)
生粋のまよらー(プロフ) - 最高に面白くて、すぐお気に入り登録してしまいました！！メープルシロップ色の髪と目は最強ですよね……高校に入ったということはそろそろリョータにも会うんですかね？？その時が楽しみすぎて…😭これからも更新頑張って下さい！応援しています！ (2023年4月16日 21時) (レス) id: 3e4069aada (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Uo | 作成日時：2023年2月13日 14時
