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「……っは、」
ドリブルでボールが床に弾かれる音。
キュッキュッ、とバッシュの底が擦れる音。
一対一、お互いの上がった呼吸音。
『ちばりよー!!るかちゃん!!!』
「!!」
彼女のよく通る大きな声。
「(……いつの間にかベタ惚れって訳ね)」
その声に動かされるように流川がドリブルを速め、一気に切り込んだ。
次の瞬間。体育館ごと揺らすような、大きな音。
衝撃にグラグラと揺れるゴールと、転がるボール。
『……わあお』
「すご、流川史上初めてのダンク……なんじゃない？」
彼の初ダンクは中学校の部活入部後、間も無くだった。
✳︎
「どうだった」
『ん？』
辺りもそこそこ暗くなった時間帯。
部活終わりの帰り道にあるコンビニで、同じジャージを着た男女が肉まんとあんまんを片手に歩いている。
『ん。めっちゃおいしいよ。一口食べる？』
「………いい」
『ありゃ、もうお腹空いてない？じゃあ食べちゃうよ』
「……」
「…………ダンク」
『ん？』
初めてダンクを決めた。
中学に入って前よりだいぶ身長が伸びたから難しくなかった。
ダンクができるイコールバスケが上手いという訳じゃない。
そんなことは分かっていた。
「今日、ダンクどうだった」
それでも聞いたのは、彼女からの"すごかった"が聞きたいというたったそれだけの理由だ。
彼女に認められたい、凄いと思われたい。
欲を言えば、"りょーちゃん"よりも凄い、と。
『すごかったよ!!もう、体育館が揺れたんじゃないかってくらい!地震が起きたかと思ったもん』
彼女はあんまんを急いで飲み込んでから、ニカッと効果音がつきそうな笑顔を浮かべた。
嘘みたいだけど、その笑顔で本当に一日の疲れが浄化された気がする。
家までダッシュで帰れと言われてもできそうだ。しないけど。
『よっ、災害マン!!緊急アラートもびっくりだよ!』
「褒めてんのか貶してんのかどっちだ」
『褒めてる褒めてる』
絶対に褒めてはいない笑い方をする彼女に「どあほう」と一言呟けば、彼女が今度は静かに笑った。
『これからきっと何本も決められるようになるよ』
『来年、再来年──高校生になったらさ、もっともっとすごい選手になってるよ』
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玲生(プロフ) - 調べてみたらリョータと同じ市で泣いた (12月10日 22時) (
レス) @page11 id: 7f34fd14ff (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - なーすさん» ご指摘ありがとうございます…!!腎臓ですね…笑修正しておきます😖 (10月24日 1時) (レス) id: 64806ac4ef (このIDを非表示/違反報告)
なーす - 楽しく読んでおります。でも、２つある臓器は、肝臓ではなく腎臓です(笑) (10月17日 23時) (レス) @page33 id: 10ce8bde32 (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - 生粋のまよらーさん» コメントありがとうございます❕嬉しいお言葉が励みです😖リョータとの再会は力を入れなくてはですね…!続編もお時間がある時に覗いていってくださると嬉しいです…!! (2023年4月23日 1時) (レス) id: 05f236e790 (このIDを非表示/違反報告)
生粋のまよらー(プロフ) - 最高に面白くて、すぐお気に入り登録してしまいました！！メープルシロップ色の髪と目は最強ですよね……高校に入ったということはそろそろリョータにも会うんですかね？？その時が楽しみすぎて…😭これからも更新頑張って下さい！応援しています！ (2023年4月16日 21時) (レス) id: 3e4069aada (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Uo | 作成日時：2023年2月13日 14時
