4 ページ6
「安田君？！」
意外な人物につい、声が大きくなると亮ちゃんは慌てて人差し指を口元に当てた。
…意外すぎる。
「高校ん時から友達なりたい思てたんやって。教えてエエ？」
「もちろん。お願い」
亮ちゃんのその言葉に俺は分かりやすくテンションが上がる。
やってさぁ、高校の時、綺麗やなって憧れてた人が俺と友達になりたいって思ってくれてたんやで？
章大に電話番号で追加されました。
LINEにそんな通知が来て、同窓会来て良かったと初めて思う。
よろしく、ってスタンプを送って会場内を見回すと、安田君と目が合って。
恥ずかしなってまたスマホ画面に目を落とすと、ペンギンがお辞儀してるスタンプが送られてきた。
「…てかこれが何で彼女募集中の俺に朗報なん。友達は出来そうやけど」
「え、俺そんなん言うたっけ？」
「言うたわ！」
「なら、もー…章ちゃんと付き合えばエエやん」
「俺に性転換しろ言うん？」
笑い飛ばしてみれば、亮ちゃんはアホか、と呟いて黙り込んでもうた。
「急に黙ってどうしたん？酔った？」
「お前変なトコで優しさ見せんなや」
「俺はいつでも優しいやんか」
「……ホンマ、大倉、相変わらずやな」
「え、何が？優しいトコ？」
亮ちゃんは疲れたように溜め息をつく。
いや、普通に何か分からんし。
「大倉、モテるやろ」
「モテてたら何で彼女おらんねん」
酷い。
亮ちゃん、自分がモテるからって一人身の俺に嫌み言ってくる。
「大倉はあれや。隠れてモテるタイプ」
「…それ実質モテてへんのと一緒やん」
「皆に笑顔振り撒くし、昔より愛想良うなったし…」
亮ちゃんはこのタイミングでお酒を口に含んだ。
それに合わせて俺もお酒を飲む。
しゅわしゅわと炭酸の泡が喉の奥で弾けた。
二十歳の頃は苦いと思ってた飲み物も今では美味しく感じるあたり、大人になったなぁ、と思う。
「…高嶺の花、感が強なってんねん。お前。近寄りがたいっていうか」
「亮ちゃんには言われたないわ」
へらへらっと笑うと、亮ちゃんは睨んでくる。
「お前、真面目に聞かへんと一生恋人出来ひんで」
凄い脅しやん！！
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 66人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kyymm1(プロフ) - ありがとうございます！ (2021年7月10日 17時) (
レス) id: d4c7c060f6 (このIDを非表示/違反報告)
ぐり。(プロフ) - れちさん» 非ログの方には申し訳ない汗もう少し書けたら外そうかな。 (2021年7月10日 15時) (レス) id: e2762dc7c7 (このIDを非表示/違反報告)
ぐり。(プロフ) - kyymm1さん» はじめまして！メッセージ送ったのでご確認ください！ (2021年7月10日 15時) (レス) id: e2762dc7c7 (このIDを非表示/違反報告)
れち - はじめまして。私は非ログなのでパス外されるまで待ちますね！いつもこの小説の更新を糧にしております。ヤスくんの発言はどういう意味なのか・・・楽しみです！！ (2021年7月10日 14時) (レス) id: 5dae2b6d43 (このIDを非表示/違反報告)
kyymm1(プロフ) - はじめまして！楽しく拝見させていただいています！新作も是非読ませていただきたいのでパスワード教えていただきたいです！よろしくお願いします！ (2021年7月10日 13時) (レス) id: d4c7c060f6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
