＃９ ページ9
x
橘さんにLINEで、今どこですか？と詳細な場所を聞いて、
やっぱりあいつは東京にいることが分かった。
飛び込んだ施設で、橘さんを見つけてアイツどこですか！と詰め寄ったら、ちょっと待ってください、落ち着いて！と言われ
待つこと3分、きょとんとした顔の桃井がやってきた。
詰め寄るつもりが、逆に詰められて。
初めてタメ口でブチギレられた。
「…俺の勘違い？」
「そう、勘違い！です！」
はぁと呆れ顔で深いため息をつかれた。
おいおいおい、俺心配してわざわざきてやったのに。
…とはいえず。
「私、挨拶も無しに東京に逃げるような女じゃありません」
「ごめん」
「…でも、まぁ色々心配かけたのは謝ります」
ペコッと頭を下げた桃井。
でも、全部勘違いでよかった。
正門のことも、含めて。
「東京帰る時は、ちゃんと言いますから。
みんなにも、…もちろん、末澤くんにも。」
それは、約束しますと桃井は困った顔で「信用ないみたいだから」と小指を差し出した。
そんなガキみたいなそんな約束でも、
桃井はちゃんと守ってくれる。
そんな気がする。
その日のうちに大阪へ戻って、翌日関西Jrに"正門以外"の全ての事情を話した。
「なんや、映画撮影か…」
「まぁ桃井さんのスケジュールまでこっちのマネージャーさんたち把握してないから、確認のしようがなかったからな」
安堵する関西Jrたちと、
「ほー…末澤、お前昨日腹痛やったんちゃうん？」
「げ」
「げ、ちゃうねんお前！ほんまに！」
いつの間にかそこにいた横山くんに、全部バレた。
まぁ、最終的には「桃井が悪い」って笑って許してくれたけど。
「え？ていうか人魚の役ってことは、桃井さんの水着見れるん？映画館で？へそピもみれるん？」
「…大吾、お前最近その変態さ隠さんようになってきたな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 767人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：x | 作成日時：2023年9月29日 8時
