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「なんで確認せーへんかった！？」
「いやぁ…したんですけど、」
「してたらこうはならへんやろ！」
すごい勢いで怒られて、思わず床に正座の私と仁王立ちの末澤くん。
…しょうがないじゃん。
返信がなくても、なれないスマホで末澤くんにメール打ってた2ヶ月間の私を褒めて欲しいくらいなのに！
「でも末澤くんだって、週刊誌のことちゃんと確認してないでしょ？」
ムッとして上を見ると、目をそらされた。
「…そんなん、わざわざ見んくても」
「これ、見てください。…弟です」
会ったことあるでしょ？と実際週刊誌に載せられた目線入りの弟とのツーショットを、スマホで表示して末澤くんに見せた。
しゃがんでスマホを受け取った末澤くんは、
思いっきり拡大してまじまじと見て、はぁ…と深いため息をついた。
「…弟と週刊誌なんか載んなや」
「私が載せてくれって頼んだわけじゃないですもん」
「そりゃそうやろけど、」
はぁとため息をもう一度ついた末澤くんが、
なぜか今度は笑った。
「…アホやろ、なんやねん初熱愛報道が弟って」
「私だってびっくりです」
「なぁ、」
一頻り笑った末澤くんが、真剣な顔をして私の顔を覗き込む。
「さっき言ったアレ、ほんま？」
「アレ？」
「俺のこと、好きって」
末澤くんの甘い声が、更に甘さを増して私に迫る。
…しくじった。
"私、末澤くんが好きでした。いや、好きです。
今でも好きです、大好きです"
当たって砕けろ精神で言い放った、人生初の大告白は
見事砕けることなく彼の元へ届いた。
…届いてしまった。
「あー！あれは、あれは忘れてください！なし！ノーカン！」
「絶対嫌や」
「嫌じゃない！あれは…そう、嘘！」
嘘、だなんて言った瞬間、後悔した。
だって、目の前の末澤くんが急にしょぼんって。
…すごい、しょぼんってしてる。
…かわいい。
「…嘘なん？」
そんな悲しそうな顔で言われたら、
「…嘘、は…嘘」
「どっち？好き？」
「…好き、」
恥ずかしすぎて死にそう。
両手で顔を覆ったままそう言うと、
耐えきれず彼がくはっと吹き出すみたいに笑った。
もう！と叩くと「いや、こんな告白の仕方ある？」と彼はまだ笑い続ける。
そうやって、手のひらで転がされて。
そういうのも、悪くないのかもしれない。
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作者名：x | 作成日時：2023年9月29日 8時
