あのコ、きらい。Ⅳ (ページ46)

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A今大阪に向かつてるんだけど、末澤くんどこにいるかしつてる?

「ああ、また小さいつが大きくなってる…」

まぁいいか、丈だし。とスマホを新幹線のテーブルに置いた。

こんな憂鬱な気持ちで大阪に向かうことになるとはな、とため息をつく。

そのうちにスマホが震えだしたので、貴重品を持って慌てて席を立つ。

電話ができるブースまで駆け足で向かい、

通話ボタンを押した。

「もしもし」

『あー姉さん？あの、末澤のことなんやけど』

「うん」

『もしかしてー…なんやけど、ここんとこ末澤と連絡とってへんかったん？』

丈が聞きにくそうにしてるのは、電話越しでも分かった。

窓の外を高速で流れる景色を見ながら、

「うん、ずっと連絡無視されてて」

『無視？』

「うん、何回メール送っても返信来なくて」

え？と丈が戸惑いの声を上げる。

私だって、え？の連続だ。

『…そうか、まぁええわ。

あ、ほんでな？さっき収録終わって飛び出してったで行先は聞いてへんねんけど、多分レッスン場におるんちゃうかな』

「え、どうして？」

行先も聞いてないのに。

わかるもんなの？と不思議だった私に

呆れた声で

"末澤と姉さんの思い出の場所言うたら、あそこやろ。

知らんけど"

と丈は言った。