あのコ、きらい。Ⅳ (ページ45)

今日:126 hit、昨日:395 hit、合計:185,193 hit

＃４５ページ45

x

「末澤、みたか？これ」

某音楽番組in大阪の収録終わり、楽屋で談笑してる周りのJrから離れて1人でスマホをいじってた俺に丈が話しかけた。

なんでこう、平気で人の傷口を塗り広げるようなこと。

週刊誌を差し出す丈の手をバシッと払ったら、「はぁ？なにすんねん」と眉間に皺を寄せてキレられた。

キレたいのはこっちや。

「俺には関係あらへん」

「いや、お前これ」

「…もう、ほっといてくれや」

荷物を掴んで楽屋をとび出た。

今は、誰の話も聞きたくない。

誰の話も。

桃井が返信を返してないのは俺だけみたいで、

丈や大橋とは時々やりとりがあるのは知ってる。

だから、余計に飽きられたことを実感してしまって、苦しくて惨めで…

誰にも桃井から返信が無いことを言えないでいた。

1人になりたくて、レッスン場に籠って無我夢中で踊る。

途中何度かスマホが鳴ったけど、今は出る気になれなくて。

ぶっ通しで全力で踊り続ければ、そのうちに体力の限界を迎えて足がもつれた。

倒れて、そのまま起き上がる気力もなくて仰向けになって天井を仰ぐ。

好きの一言も言えないまま。

終わった恋が、今も心を締め付けている。

「…言えば、良かった」

だって、こんなに後悔すると思ってなかったんだ。