あのコ、きらい。Ⅳ (ページ32)

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一人一人とちゃんとお別れする時間を貰って、

次はいよいよ末澤くんだと思ってたのに。

「あー末澤くんいや申し訳ないね」

「…別にええですけど」

「え、なに？」

「実は社用車ここに持って帰ってこなきゃいけなくなっちゃって。

他のJrマネにお願いしようと思ったんですけど、みんな出払っちゃってるんで」

”末澤くんに一緒に乗ってってもらって、帰りここまで運転して戻してもらうようにお願いしたんです”

そう言いながらトランクを開けて私の荷物を積み込んだ橘さんは、行きましょうかと運転席に乗り込んだ。

…他のJrマネが、出払っちゃってる？

今日、みんなレッスン場に大集合してたのに？

…まぁ、帯同だけがマネージャーの仕事じゃないし、そういう事もあるのか。

「…すいません、うちのマネージャーが」

「橘さんほんと俺の扱い随分雑よな」

笑いながら車に乗り込んだ末澤くんの隣に座る。

ワンボックスカーだから、その距離は結構空いているけど

こうして隣に居られる時間もあとわずかなんだって思ったら、胸が苦しくなった。