あのコ、きらい。Ⅳ (ページ17)

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＃１７ページ17

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「あー…こんばんは、聞こえます？」

『はい、聞こえてます』

「すみません、お時間作っていただいて。

お久しぶりです、_______」

数日後の夜、電話をした相手は

最年長の真野だった。

彼女は未だ海外留学中のため、リモートでならと許可を得てこういう形になった。

彼女とは、昔丸山くんの舞台を観劇した際に出会していて初対面では無いが、その時は一言二言会話を交わした程度だから、正直気まずい。

そんなこと、言ってる場合じゃないけど。

「単刀直入に聞きます、CRASHに戻らんのですか？」

『…それはまた随分と踏み込んだ質問ですね』

「すいません、部外者が出しゃばって」

『Aちゃんのため、ですもんね』

すみません、少し美海から聞きましたと画面の中の真野が笑った。

動く度、ダークブラウンのボブヘアーがサラリと揺れる。

最年長でありながら身長が最も低いという点において、不服だけど少し親近感が湧いていた。

『帰れないんです』

「…理由、聞いてもええですか？」

『何も、結果を残せてないから。

それに尽きます。

あとは…最年長なのにAちゃんに1人で全部背負わせたことへの罪悪感…ですかね。

何も結果を残せてないのに、今更ノコノコ帰れないでしょう。』

画面の向こうで苦笑いする真野。

「全部背負ったこと、桃井は後悔してませんよ」

『…わからないでしょ、それは』

「わかります。ずっと、この4年間あなたたちよりも近くで桃井を見てきたんやから！

お願いします、戻ったってください。」

その後、ごめんなさい呼ばれちゃって…と電話はあっけなく終了した。

4人中2人…説得できず。

ベッドにぼふんっと寝転がって盛大なため息をついた。

橘さんの言う通り、一筋縄では行かへんな。