＃１３ ページ13
x
スマホに表示されたSNSを上にスライドして消した。
このままここに桃井がいることは、俺らからしたら嬉しいけれど
あいつのためにならない。
今年の終わりには、俺もグループとして初の単独ツアーが決定している。
あいつのためにって割いてやれる時間は、もう残り少ない。
「橘さん」
「何ですか？…え、待って。なんか嫌な予感するんですけどー！」
「CRASHのメンバーさんの連絡先、全員教えてください」
ついに来たかーと橘さんは額に手を当てて、悩んでる。
「…あの、今からやろうとしてることは結構なお節介って分かってます？」
「分かってます」
「…今までみたいに簡単にはいかないですよ、きっと」
真剣な表情でそういう橘さんが言いたいのは、多分宮入のことだと思う。
「宮入のことなら知ってます」
「あ、そう。なら…え！？え、まって、は？」
「秋野美海から照史くん、照史くんから俺にって流れで話聞いて。」
「…秋野ー、…言うなよー、1番やると思ったけどー、…」
最近バラエティーで見かける秋野美海は、だいぶおっちょこちょいというか…端的に言うとアホだもんな。
私生活でもあんな感じなんだろうな。
「お願いします、…4年も1人で耐えた桃井のために」
その一言が効いたのか、橘さんは渋々OKしてくれた。
"一応、末澤くんから連絡が行くと思うってことは伝えたけど、
連絡かえってくるかどうかまでは保証出来ないですからね"
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 767人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：x | 作成日時：2023年9月29日 8時
