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第三十二話(3) ページ6

そう答え、半助も龍と同じく桶の中に手を突っ込む。
「あー、気持ちいいねぇ」なとどのんびりとした事を言って、半助は桶の中の衣類をごしごしと洗い始め、龍も黙ってそれに倣った。

半助が手伝ってくれたこともあり、洗濯は予定していたよりも早く終わり、2人並んで洗い終わった服を竿に干していく。

ぱんぱん、と衣類の皺を伸ばす子気味のいい音が中庭に響く中、口を開いたのは半助だった。

「少しは気分良くなったかい?」

「…え?」

唐突に言われ思わず聞き返してしまったが、半助が何を言わんとしたのか予想はついた。
半助も龍は自分が言わんとしている事を分かっているとした上で言葉を続けていく。

「夢見が悪い日はどうも気持ちが沈んでしまうものだからね…自分の辛い過去を見た時は特に」

「え……」

何故分かるのか、と。
龍が隣の半助の顔を見ると、半助はにこりと微笑んだ。

「私も昔は…って言ったら何だか年寄り臭いね、以前はよくあったから」

「土井先生も?」

「こう見えて、私も忍術学園で働く前はプロの忍者だったんだよ…任務で自分の手を汚すこともあったさ」

そう言って、悲しそうに微笑む半助を龍はじっと見つめる。
気が付けば、口を開いていた。

「土井先生は、どうして忍術学園に?」

そう言って、自分で驚いた。
まさか自分が、他人にこんな立ち入ったことを尋ねるとは思ってもしなかった。
今まで他人というものに興味など湧かなかった。
深く関わるのも面倒で、立ち入った話などしようとも聞こうともしてこなかった自分が、まさか。

だけど、どうしてだろう。
半助のことは知りたいと、そう思った。
いつでも優しく微笑む彼の顔に陰を落とす、その過去を知りたいと思った。
何故、そう思ったのかは分からないけれど…。

半助はというと、「そうだなぁ…」と言うと、やや間をおいて「…うん」と1人小さく呟き、龍を見る。

そして、「あまり他人には話したことがないのだけどね…」と言ってから静かに己の過去を語り始めた。

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設定タグ:忍たま , 土井半助 , RKRN   
作品ジャンル:アニメ
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ししゃもん(プロフ) - 千里丸さん» コメありがとうございます!同じ好みの方がいて嬉しいです!引き続き頑張ります!今作品が終わったら別キャラの忍たま夢にも挑戦する予定でいました。加えてシチュのリクもありがとうございます。できうる限りご期待に添えるよう取り込みたいと思います! (2019年4月1日 23時) (レス) id: 2f089d0de5 (このIDを非表示/違反報告)
千里丸 - 二度コメ失礼します。希望としては、夢主と男装夢主が同一人物であることが土井先生より先に誰か(以下A)にばれてしまい、秘密を守ってもらうためAと話すことが多くなってしまい、土井先生が嫉妬…みたいな展開が見てみたいです。ご検討いただければ幸いです。 (2019年4月1日 9時) (レス) id: 1ee468ee2e (このIDを非表示/違反報告)
千里丸 - 忍たま夢小説では数少ない作りこまれた設定、大好物です。睡蓮さんの考えるお話の設定はすごく好みなので、この小説が終わったら、忍たまの別キャラでも書いてほしいです。ご検討いただければ幸いです。とりあえず今は、「花菖蒲と蓮華草」を頑張ってください! (2019年4月1日 9時) (レス) id: 1ee468ee2e (このIDを非表示/違反報告)
睡蓮(プロフ) - たまさん» ありがとうございます!糖度低めのお話ですが、胸キュンしてもらえて嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2019年2月21日 11時) (レス) id: 2f089d0de5 (このIDを非表示/違反報告)
たま - 土井先生の夢小説を求めて辿り着きました( 〃▽〃)これからも胸キュンストーリーを楽しみにしてます! (2019年2月21日 0時) (レス) id: 01fbcb5691 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ししゃもん | 作成日時:2019年2月9日 13時

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