風の魔術師、此処に降臨

古い友人 ページ5

足元に綺麗な花を咲かせながら此方に歩いてくる一人のサーヴァント。
その顔にはいつもの胡散臭い笑顔を浮かべている。


立香「いつの間に…」


俺がそう呟くと、花の魔術師ことマーリンはニコッと笑いながら答える。


マーリン「いやぁ、何やら懐かしい気配を感じて来てみれば、オベロンがいるじゃないか！」

オベロン「やぁ、マーリン。
久し振りだね。」


オベロンがヒラヒラと手を振る。
対するマーリンも似たような反応を返し、トコトコとオベロンの近くに来た。

……こうして見ると益々合わせ鏡みたいだ。


マーリン「此方にはいつ来たんだい？
私の所に来ないだなんて水くさいぞぅ！」

オベロン「ついさっきだよ。
マスターにカルデアを案内してもらっていたんだ。」

マーリン「やれやれ、君のその自由なところは相変わらずみたいだね。」


ブーメラン！！と叫ぼうとして踏みとどまる。
いけないいけない。今はそんな事している場合じゃなかった。


立香「マーリンの姿を写したって？」

ガウェイン「お二人の関係についても些か気になります。」

マーリン「そのままの意味だよ。
まぁ細かい事を話すと長くなるだろうから、それはひとまず置いておこう。

それ以外では……私とオベロンの関係についてだったね。」


マーリンは勿体振るような言い方をすると、ニヤニヤと悪戯っぽい笑みを浮かべて俺達を見回す。


立香「……マーリン？」

マーリン「ふふ、私とオベロンはね……









実は血の繋がった兄弟なんだ！」

立香「えっ、それ本当だったの！？」


慌ててオベロンの方を振り向くと、オベロンはフワフワとした笑みを浮かべて笑っていた。


オベロン「ははは、僕とマーリンが兄弟かぁ。
うん、でも容姿的にはそう思われても不思議ではないかもね。

＿＿でも残念、兄弟ではないよ。
ただ姿が似てるってだけさ。」

トリスタン「確かに、先程も貴方がマーリンの姿を写した、と仰っていましたからね。」

マーリン「おや、もうネタバレをしてしまうのかい？
もうちょっと乗ってくれたって良いだろうに。」

アルトリア「くだらない事を言っていると剣の錆にしますよ、マーリン。」


既に構えているアルトリアを見て、マーリンは大慌てで話をそらす。
全く、これで何回目なんだか…。


マーリン「まぁ、オベロンの言う通りさ。
私達は兄弟じゃあない。
彼と私はただの【古い友人】だよ。」

ベディヴィエール「友人…ですか。」

マーリン「そう。」


変わらず笑顔を浮かべている二人を見て、似てるなぁと思った俺は悪くない。

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