風の魔術師、此処に降臨

落ち着こうか ページ4

アルトリア「……成る程。
貴方はオベロンと言うのですね。
先程は取り乱してすみませんでした。」

オベロン「いや、大丈夫だよ。」


………………つ、疲れた……。

皆を宥める事約数十分。
ようやく落ち着きを取り戻したアルトリアを筆頭とする円卓の皆はオベロンに謝罪をしていた。


オベロン「大丈夫かい？マスター。」

立香「あぁ、まぁ……うん、大丈夫…」

ガウェイン「あぁ、マスター…！
誠に申し訳ありません…」

立香「いや、ほんとに大丈夫だよ。
皆も落ち着いてくれたみたいだしね。」

ベディヴィエール「しかし、見れば見るほどマーリンにそっくりですね。」

トリスタン「これでは見分けるのも一苦労ですね。
何か目印のようなものがあれば良いのですが。」

立香「間違い探しじゃないんだから…」


呆れながらにそう言うと、オベロンがそれなら、と言いながら後ろを向く。


ランスロット「む、これは……リボン？」

オベロン「うん。マーリンがやったんだ。
これで区別出来そうかい？」

アルトリア「そうですね……後は瞳の色、でしょうか。」


アルトリアに指摘され、俺ももう一度オベロンの瞳を見る。
森林をそのまま写し出したようなエメラルド・グリーンの瞳。

確かに、そこも違うのか。
さっきはああ言ったけど、俺も何だか本気で間違い探しをしているような気分になってしまった。


アルトリア「ところで、何故貴方はそんなにもマーリンに似ているのですか？」


あ、俺もそれ気になってた。
双子だからとかいう仮説を立ててたけど、結局のところどうなんだろう？

期待の籠った眼差しを向けられ、オベロンは困ったように笑いながら首を傾げる。


オベロン「うーん、何でと言われてもねぇ…。
それは単に僕が＿＿」




？？「いつまでも不安定なままじゃアレだろうからって、彼が私の姿を映したんだよ。」




オベロンの言葉に被せるようにして聞こえてきた声に、俺達は一斉に振り返った。

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