風を操る者 ページ15
開いた本はそのままに、オベロンはおもむろに空いていた左手を前に出す。
すると、これまたマーリンの持っているのと同じ形をした杖が現れた。
オベロン「マシュ、僕が合図をしたら君の宝具を展開してくれるかい？
花弁もこの勢いだからね。
ヘマはしないように努力するけど、もしもの事があったらいけないから。」
マシュ「はい！」
オベロン「うん、良い返事だ。
＿＿大丈夫。すぐに終わらせるよ。」
オベロンは微笑むと、此方に背を向けてしっかりと前を見据える。
花弁は未だに攻撃を止めず、先程の勢いもずっと保ったままだ。
本当に、大丈夫なのだろうか。
もし二人に何かあったら…。
そんな不安がよぎる中、前に立っているオベロンはゆっくりと杖を構える。
オベロン「それじゃ、いくよ。
………いち、にの…………さん！」
マシュ「＿＿宝具、展開します！」
合図に合わせてオベロンが術を解除すると、花弁が一気に此方に向かってきた。
マシュが宝具を展開させると同時に、オベロンは直ぐ様杖を振るった。
オベロン「＿＿よっ、と。」
杖が振るわれると同時に、辺りに少しだけひんやりとした風が吹く。
刹那、鋭い刃と化していた花弁達の動きが一斉に止まり、さっきまでとは違い緩やかに舞い始めた。
オベロン「さて、もう良いよ。
わざわざ宝具を使わせてごめんね。」
マシュ「いえ、大丈夫です。
こちらこそ、守っていただきありがとうございます。とても助かりました。
……それであの、これは一体…？」
マシュがそう問い掛けると、オベロンは穏やかに微笑みながら答えた。
オベロン「あぁ、これかい？ちょっと風をおこして、動きを制限したんだ。」
マシュ「……………」
あの時一瞬だけ見たあの真剣な表情が嘘のように柔らかく微笑んでいるオベロンに、俺とマシュは思わず言葉を失った。
そんな事は露知らず、オベロンは持っていた杖を少しだけ動かした。
オベロン「よし、それじゃあこの花弁達もそろそろ在るべき所へ導いてあげようか。」
フワリ、と。
再び優しい風が吹いて、美しく舞っていた花弁はゆっくりとその姿を消す。
やがて全てが終わると、オベロンが此方を振り返って小さく微笑んだ。
オベロン「驚いたかい？
これが僕の＿＿万物を導く風を操る、風の魔術師の力だよ。」
……これはもしかして、とんでもないサーヴァントを俺は召喚してしまったのでは？
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こし餡の信者 - めろん(｡･ω･｡)ぱんさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます！！そのコメントだけでご飯三杯いけます← 近々続編も出しますので、宜しければそちらも宜しくお願い致します！ (2019年6月24日 6時) (
レス) id: 087b770101 (このIDを非表示/違反報告)
めろん(｡･ω･｡)ぱん(プロフ) - とっても面白かったです！更新待ってます！ (2019年6月22日 12時) (レス) id: 5a20f4b02f (このIDを非表示/違反報告)
こし餡の信者 - かなとさん» あああああああすみません！！外すの忘れてました…！教えてくださりありがとうございます！本当にすみません！ (2019年5月20日 9時) (レス) id: 68e7808bec (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 作品を作る前にまずルールをご理解下さい (2019年5月20日 5時) (レス) id: 6ffb43edd5 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年5月20日 5時) (レス) id: 6ffb43edd5 (このIDを非表示/違反報告)
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