青空～あの日あいつに出会った～ (ページ5)

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遊び心。ページ5

桜宮公園。
名前を聞いたときはどこかのお嬢様が作ったんじゃ…と思った。
しかし中に入るとごく普通で…。
そんなことを思った自分が恥ずかしくなった。
男はすでに中に入り、遊んでいた。
中には子供や、その子供のお母さんなどがいる。
男が向かったのはシーソー。赤と黄色がはげて灰色になっているが。
これで遊んでも絶対男の方が下に下がるんではないか。
「これは…結果が目に見えてる…」
「いーの、いーの！！ほら、乗って？」
無邪気に言う彼。本当にこの人が……
“先輩”
なのだろうか？

時を遡ること１６分前。
『……え、違うんですか？』
焦りを見せる私。
プールにも簡単に入っていったし…そうだと、決めつけていた自分。
それが違うとなったら、この男は何もの？
不安、恐怖がこみ上げてくる。
『そうだよ……え、本当に俺のこと知らない？』
信じられない、そう言う男。
どういうことだろう。私、この人に会ったことがあるのだろうか…。
男は帽子を取り、茶髪を見せた。
しかし、その髪を見ても私は思い出せない。
『…しら、ないんだね』
『はい…なんかすみません』
謝ってしまう。この人はそれほど有名な人…らしい。
自分が思うには、この男は学校で有名な人、だからみんな知っている…そう。そうだ。
……なのに私は知らない？
頭の中に？マークが浮かぶ。
『俺ね、野球で有名なんだよ。んで２年』
話し始める。
野球に興味のない私には無縁だ。
『ま…今度試合を見に来てくれれば…』
『はぁ…じゃあ興味がむいたら』

そう、約束してしまったのだ。
遊び心で。興味本意で。