青空～あの日あいつに出会った～ (ページ2)

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また。ページ2

今日もプールにいた。
…あいつに会いたい、とかじゃなくて。
他にも公園とかいこうとした。が、改装工事をしていたため無理だった。
バシャッバシャッ。バタ足。
今日のプールはこの前より汚い。
葉っぱは浮いている、なんだかわからない黒の物体。
私の学校にはプール当番という優れたものがない。だからプールは汚いまま。
ガチャン。鉄と鉄が当たる音がした。
―――またあの人？
今日は頭を動かして顔をみる。
この前は顔を見ずに帰ってしまったのだ。
「…こんにちは」
「やっぱりいた」
オレンジ色の帽子を深く被り、白のシャツを着ていた。腕にはリストバンドをしていた。
こんがり焼けた肌。
もしかしたら運動系の部活に入っているかもしれない。
決してカッコイイとは言えない顔。
しかし爽やかな少年だ。
軽く会釈をして挨拶をした。
「よくくるね」
「家に一人居るよりマシなんで」
ポツリ、ポツリ。
長くない話が続く。
質問してくるのは男。
その質問に答えるのは私。
今度は私が質問してみよう。
「…何しにここにくるんですか？」
「ひまつぶし」
「私はひまつぶしの道具ですか」
「ち、違う違う。…疑いの目を向けないで」
私はじーっと男を見る。
本当なのだろうか。
笑って否定する彼の言葉はなんとなく信じられなかった。
「アイス買いにいこ」
話題を変えたな。
しかし身体は動く。
足はプールから出て、プールサイドに置いていた。
じりじり焼ける足の裏。
「はは。行くか」
「……はい」
別にアイスに釣られたわけではない。
ただ、あいつの目に惹かれたんだ。