21-3 : 予兆 ページ9
Aside
「ふふっ…やっと見つけたよ、俺の大切な大切なA…」
「なんで…兄さんを攻撃したの…？」
「さぁ、なんでだろうね。兄さんが俺とA会わせたくなかったらしいんだよ」
寂しげに表情を歪めるひとらんらん。外したインカムはピンク色に激しく点滅し誰かの叫び声が聞こえてくるような気がした
それでもひとらんは気にせずに私をその冷たく吸い込まれそうなほど漆黒の瞳で見つめる
「ねぇ、なんで仲間なのに会わせて貰えないか考えたんだよ。兄さん…裏切ったんだろ？」
「…んなわけあるか、グルッペンに手紙送ったやろ」
「信じるとおもってるの？バーカ」
「はぁ…最悪や、煙草もろくに吸えんしお迎えは手荒やし…商人になんてことすんねん」
「兄さんは商人じゃないじゃん？多少のことじゃ壊れないよね？」
冷たい銀の刃を木漏れ日が照らす、ボロボロのストールを巻き直した兄さんは私を庇うように立ち塞がる。その様子に苛立ちを覚えたのかひとらんは冷たい眼光をさらに鋭くし得物を構える
「兄さん…ひとらん…なんで戦うの…？わたしたち…なかま…だよね？」
「そうやなA。仲間やで」
「どの口がいうんだよ、総統にも…大ちゃんにも内緒で連れ出した癖に？」
「え…？」
私が疑問を口にしようとするのを拒むように二人は地面を蹴る。兄さんは小型のナイフを手にもちひとらんは刀を兄さんに向ける
互いはスピードを上げて上げて木々を縫うように争い始めた
手加減なんて何一つない本当の命のやり取り
仲間…仲間なのに？いつものふざけた内ゲバじゃない、ただならぬ殺気、自分も軍人のはずなのに足がすくむ…
なんで足がすくむのだろう
あんなに努力して訓練生を主席卒業、笑顔で送り出された春の陽気はまだ微かに残る
そんな風の吹く森で金属音が響き渡る
小鳥たちは悲鳴をあげるように鳴いては逃げて獣たちも姿を隠す
止めなきゃ
止めなきゃいけないのに
「なぁ兄さん！A連れ出し…いや、誘拐に成功した気分はどうだよ？」
「語弊があるやろ、報連相もできひんわけやないやろ総統は」
「グルッペンにも文句いうなんて、本当に裏切り者に落ちたな、死ね」
「まだ死ねない！」
どちらが真実なのかがわからない。信じてついてきた兄さんが嘘をついてるのかも、ひとらんが出鱈目いってるのかもわからない
私って、こんなに弱かったっけ？
自分で判断も出来ないような人間だったっけ？
「っ…痛い」
頭が痛い…何かが…私の中の大切な何か…が…帰…
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夜空音 - 狐（こん）△さん» コメントありがとうございます！青い鳥は見てはいるのですがアプリは入れてないんです…すみません(´・ω・`)これからも応援お願いします！ (2017年7月26日 0時) (
レス) id: 5aad051f04 (このIDを非表示/違反報告)
狐（こん）△(プロフ) - 夜空音さんのお話がとても好きでコメントを書いてしまいました！とっても好きです！これからも応援してます！（夜空音さんは青い鳥などやっておられますか？やっていらしたらお話したいのですが…） (2017年7月25日 22時) (レス) id: 31e766e5ec (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - 捨てられた寝ぇ猫(∂ω∂)♪さん» ヤンデレ美味しいですよね…！彼には今後も期待してて下さい！ (2017年6月12日 1時) (レス) id: 09c0159810 (このIDを非表示/違反報告)
捨てられた寝ぇ猫(∂ω∂)♪ - ヤンデレ美味しいﾑｼｬﾑｼｬ← (2017年5月28日 13時) (レス) id: 308487bf5b (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - みいろさん» ヤンデレらんらんさん好きなので書いてて楽しいです…w 夢主ちゃんには頑張ってもらわないとですね…！ありがとうございます (2017年5月5日 12時) (レス) id: 3232c3fbe5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜空音 | 作成日時：2017年4月21日 0時
