21-2 : 底知れぬ恐怖より ページ8
Aside
兄さんに案内されたログハウス。なんで私がこんな所にいるのか、わからない。自分の存在もよく分からない
「怖い」
そう、怖い
数日前まで怖いなんて感じなかった、私には大先生がいる、グルッペン総統がいる。大切な婚約者と使えるべき主人…そして仲間
仲間なのにわからない、友人なのに怖い
兄さんが沢山の場所に連れ出してくれた、私は大先生の望むように沢山のことを覚えた。初めての土地で慣れないこともあったけど、何故か知っている風習や言葉遣い…何よりも
似ている
私にそっくりな黒い目、黒い髪。どこかでみたようなキモノと言われる衣服。知っている、知っているのに…思い出せない
思い出せなくて怖い
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
「なんでっ…わかんない…わかんないよっ…！」
私は違う、私はこんな人間じゃない。人並みに自分の意思があって、意見があって…
愛されてはダメで
「愛されちゃ…だめ…？」
何故？
「なんで…？」
大先生は私を愛してくれてる、だから婚約した
でも私の意識は愛されることを拒んでる
どうして？
「なんでわたし…そんなひどいこと」
好かれないのは、愛されないのはつらい
誰にもみてもらえないのは苦しい一人は辛い
…一人は
「誰か…誰かっ…！私は…私は何っ！わからないの！！助けて…」
誰に？
誰が助けてくれる？
大先生？総統？
違う
いつも…こんな時いつもいてくれた人は…
「だれ…なの…」
夢に現れた金髪が揺れる、空色の瞳が輝く
だれ？だれなの
前髪に隠れた黄緑の瞳が優しく光る、フードが靡く
助けてくれたの？
あなたたちは誰？
長い黒髪が揺れる、抱き締められる。暖かい
目の前が赤に染まる、庇われる。生暖かいまだ生きていたはずの温もり
思い出せない
何よりも大切で、忘れたくない誰かなのに
ドォンッ！！！！
何かが叩きつけられる音が聞こえて我にかえる
確実にログハウスに衝撃が走った、慌てて飛び出す。
「兄…さん…？」
ログハウスを背に横たわる彼のストールはボロボロ。まだ息をしているし血は流れていない
「見つけたぁ〜！」
声の主に目を向けた見慣れた姿がそこにあった
見慣れていた筈の姿が移る
黒い髪、黒い瞳。普段は穏やかに笑う彼の瞳は
冷たく、鋭く普段は隠された口元が姿を見せて
三日月のように妖しく弧を描いた
「なぁA、帰ろう？」
耳につけたインカムを外して投げ捨てた彼
「ひと…らん？」
恐ろしい笑顔の彼を私は知らない
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夜空音 - 狐（こん）△さん» コメントありがとうございます！青い鳥は見てはいるのですがアプリは入れてないんです…すみません(´・ω・`)これからも応援お願いします！ (2017年7月26日 0時) (
レス) id: 5aad051f04 (このIDを非表示/違反報告)
狐（こん）△(プロフ) - 夜空音さんのお話がとても好きでコメントを書いてしまいました！とっても好きです！これからも応援してます！（夜空音さんは青い鳥などやっておられますか？やっていらしたらお話したいのですが…） (2017年7月25日 22時) (レス) id: 31e766e5ec (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - 捨てられた寝ぇ猫(∂ω∂)♪さん» ヤンデレ美味しいですよね…！彼には今後も期待してて下さい！ (2017年6月12日 1時) (レス) id: 09c0159810 (このIDを非表示/違反報告)
捨てられた寝ぇ猫(∂ω∂)♪ - ヤンデレ美味しいﾑｼｬﾑｼｬ← (2017年5月28日 13時) (レス) id: 308487bf5b (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - みいろさん» ヤンデレらんらんさん好きなので書いてて楽しいです…w 夢主ちゃんには頑張ってもらわないとですね…！ありがとうございます (2017年5月5日 12時) (レス) id: 3232c3fbe5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜空音 | 作成日時：2017年4月21日 0時
