21-6 : 他人から幼馴染へ ページ12
Aside
まだ、思い出すことはできなかった。なのにその青年を見るたびに暖かい気持ちがじんわりと沸いてくる
「ひとらん、ここで手打ちといこうや？」
「…来たんだこねちゃん」
「おう！幼馴染が気になってな！」
「そっか」
殺気と刀を鞘に納めるひとらんらん、兄さんも体に気を使いつつやっと安堵の溜め息をつく
「グルッペンからの命令、どんな理由であろうと皆で帰ってこいやってさ」
白い石のついたインカムを拾い上げひとらんに渡す青年。ひとらんはまだ納得いかないという顔をしていたけれどどこか安心した様子でもあった
「ほら、Aも」
「え？」
オレンジ色の石が埋まるインカム。間違いなくそれは私のもので青年の様子からみるとどうやら仲間の１人であることがわかる。兄さんにも紫色のそれを渡していた
「インカムつけてみ？通信主ががちおこやぞ」
全員それをそっと耳に当ててみる、私のものは少し音量が小さいのか聞こえづらかったけれど、兄さんとひとらんがインカムを耳に当てた瞬間に顔をしかめていた
「はっはっはっはっはっぁあはぁはっ！！」
「コネシマてめぇ！！」
「ひぃぃいいい！おもろすぎやろ！！」
どうやら、聞こえてくるのは通信主の最大限の文句。しかも大声、どうやらそれにまんまとはめた青年は大きく快活な声で笑っていた
「んはっ…はぁ…笑ったわぁ、ほらロボロもうええやろ？」
『良くない！！』
インカムをつけなおし通信主の声を聞く
聞きなれた小さな彼の声である
『A！！帰ったら体に異常無いかしんぺい神にみてもらい？ひとらんはてめぇ殺す』
「…」
『ていうかな？…え？あ、グルッペン変わる？おん、ええよ』
少しのノイズ、聞こえるのは
『やぁ同胞諸君、楽しい内部ゲバルトどうもありがとう。沢山話したいことがある、帰ってくるといい』
僅かに怒りを含んだその声にその場にいる全員が戦く、早急に帰るべきと判断した私達は謝罪もそこそこにインカムからのお叱りを受けながら帰路につく
その間、皆はずっと喋らなかった
いつもなら不安になるはずなのに、今日はその静寂がやけに心を落ち着かせてくれた
そういえば、私。さっきまで何してたんだっけ？
何か叫んでいたような気もするけど…いっか
凄く心が軽い。何だか落ち着く
だって…君は…
「ねぇ、名前は？」
「ん？俺はコネシマっていうんやで」
「コネシマ…」
やっぱり…やっと納得した
「こね…ちゃ…ん」
涙が頬を伝って私の意識はどこかへ落ちた
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夜空音 - 狐（こん）△さん» コメントありがとうございます！青い鳥は見てはいるのですがアプリは入れてないんです…すみません(´・ω・`)これからも応援お願いします！ (2017年7月26日 0時) (
レス) id: 5aad051f04 (このIDを非表示/違反報告)
狐（こん）△(プロフ) - 夜空音さんのお話がとても好きでコメントを書いてしまいました！とっても好きです！これからも応援してます！（夜空音さんは青い鳥などやっておられますか？やっていらしたらお話したいのですが…） (2017年7月25日 22時) (レス) id: 31e766e5ec (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - 捨てられた寝ぇ猫(∂ω∂)♪さん» ヤンデレ美味しいですよね…！彼には今後も期待してて下さい！ (2017年6月12日 1時) (レス) id: 09c0159810 (このIDを非表示/違反報告)
捨てられた寝ぇ猫(∂ω∂)♪ - ヤンデレ美味しいﾑｼｬﾑｼｬ← (2017年5月28日 13時) (レス) id: 308487bf5b (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - みいろさん» ヤンデレらんらんさん好きなので書いてて楽しいです…w 夢主ちゃんには頑張ってもらわないとですね…！ありがとうございます (2017年5月5日 12時) (レス) id: 3232c3fbe5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜空音 | 作成日時：2017年4月21日 0時
