20-3 : 聡明な姫 ページ50
大先生side
コツコツ…
屋敷にある地下牢、その場所には現在、俺の血縁にあたる姫様が捉えられている
待遇は悪いわけでは無いけれど中々に不自由な生活を渡している
コンコンッ
「はいるで」
そういって部屋に入ると、目を輝かせる女の子が一人…
「兄様…！！」
「よっ」
「お久しぶりですわ！兄様、私、とても暇でしてよ」
「そっかぁ、ごめんなぁ…」
「けれど、ゾム様が助けてくださらなければ、今頃私も…きっと…死んでいたのでしょうね」
この姫様は強い、幼いながらに自分の執事やメイドが死んだことを割りきり、こうして笑顔でせってして来るのだから
「なぁ、お前これから。どうしたい？」
「？兄様…私には居場所がもう無いのですわ…それに、なんとなくわかります。もう、姫として生きていけない…生きるために…兄様と同じ…軍人にならなくてはいけない…ような…そんな…感じが…」
さすが我妹やな、でもまだ…甘い
俺達は助けた訳じゃない、お前を捕虜てして使っている。お前の望む兄様の結婚は果たされないやろうなぁ…
「ところで、兄様は何をしにきたのです？」
「ん？あぁ…それなんやけど…」
どうして話したのかはわからない
この少女に話したって仕方ない
わかっていたけれど、話さずにいられなかった
「Aちゃん、行方不明やねん…俺に愛想尽かしてもうたのかなぁ」
「…？」
「なぁ…俺…」
「兄様？…あの…言いにくいのですが…」
少女はその聡明な相貌をこちらに向ける
一度弱った意識の光が強く灯り、意を決したように話し出す
「A様…本当は…婚約者なんかでは…無いのですわね？」
「っ！！？」
「…やはり、兄様の反応をみて確信に変わりましたわ」
「根拠は？」
「態度、言動、振る舞い…彼女の態度は、次期王妃にしては、まだ子供の私に対し敬意を払いすぎです、言動も…外交官を相手にしているようなどこかよそよそしい口調…極めつけは…振る舞いですわね。私と話すときは、必ず背後や私の周辺に敵意が無いか探り…どこにあるかはわかりませんが…武器をいつでも出せるようにと…気をはっていましたわ…」
少女の口から漏れる特徴は、まさにAちゃんの癖そのものやった
「私、ずっと信じていましたの…このまま行けばフランツは安泰だと、官僚に任せるのが幸せだと」
けれどそれは違った
「私、子供でしたのね」
今、成長し現実を知った少女と
現実から逃避行を繰り返す女性が一人
俺と対峙する
後悔のその先で�犬愨海�
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夜空音 - MAGAさん» コメントありがとうございます！いえいえ、そんなに誉めてもらえるほどの物ではないですよ…けれど、そうやって応援してもらえると頑張ろうと思えます。今後ともよろしくお願いいたします (2017年4月9日 1時) (
レス) id: d75dbfea0a (このIDを非表示/違反報告)
MAGA(プロフ) - 貴方様の小説…とても好きです。雰囲気、内容、設定。そして表現の仕方…どれもが素敵です。今までコメントを送る勇気が無かったのですが、かなり前から見させていただいてました。これからも続き楽しみにしています。頑張ってください(^^) (2017年4月7日 0時) (レス) id: 3a4970e686 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - 5‐8さん» ありがとうございます！！魅力的だと言って貰えてとても嬉しいです…！一気に読んで疲れるような文章になっていたら申し訳ないです(・・;)まだまだこの話は続きますので、今後も楽しく読んでもらえるように頑張ります！応援ありがとうございます (2017年3月26日 22時) (レス) id: bfc721df53 (このIDを非表示/違反報告)
5‐8(プロフ) - とても面白く一気に読んでしまいました…それぞれの心情と行動全てが魅力的で、とても素晴らし小説に出会え感動しております…これからも応援しております！更新頑張って下さい！ (2017年3月25日 5時) (レス) id: a6f76012a7 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - 美桜さん» コメントありがとうございます。以下に人間性、現実、理想、そして個人の心をいかせるか頑張って書いているのでなかなか完結しませんが、 これからもよろしくお願いいたします (2017年3月20日 22時) (レス) id: bfc721df53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜空音 | 作成日時：2017年2月19日 9時
