16-4 : 遠征7日目 妹 ページ25
Aside
一週間…とても長くて短い時間
宣戦布告から何日たった？三日？四日？
わからない…けどそんなことはどうでもいい
「大先生、本当に平気かな」
「大丈夫やろ。ちゃんと準備したしな」
「そうだよね…うん！大丈夫大丈夫！」
ペチンッと両頬を叩き気合いを入れる
大先生が相変わらず行動が子供やなぁって笑うけど気にしてらんない
「気合い入れるんだからこのくらいしないと。大先生もやってあげようか？」
「気合い入れるのはええけどさ、その握りしめた拳をこっちに向けるのやめようや」
「なんでよ」
「キスとかじゃだめなん？」
「よし、大先生どこに一発食らいたい」
「ちゃうやん！？…でも、大丈夫そうやな。冗談が通じとるし」
「私を何だと…」
「子供」
「即答！？」
相変わらずの子供扱いは心外、私はあと少しで20だからね！？
「…あ、でもありがとう大先生。ドレス…荷物に入れてくれて」
「ん？あぁ…グルちゃんとトントンが選んだ奴やろ？にあっとったし、置いておくの勿体無いからな、大切にするんやで」
「うん、大切にする」
逃亡の準備は既に整った
今日も我々から何も連絡が無い…私達にかえる場所はもしかしたらもう無いのかもしれない
けれど…それでも帰りたい
コンッコンッ
『兄様！A様！私ですわ！！』
「妹様？」
扉がノックされて心地よい音が響く
扉の向こうからは妹様の声が聞こえてきた
『少し、A様とお話がしたいのです！もし、お時間が良ければ…』
大先生と目を合わすと行ってもいいと目配せされた
私が扉を開くと、可愛らしいピンクのドレスに身を包んだ妹様の姿がそこにあった
「A様！バルコニーでお話しましょう！」
「えっ！？あっ…はい？」
「はやくはやく！こっちですわ！」
子供らしい素直な力で腕を引かれる
大先生が何か言っているように聞こえたけれど言葉までは聞き取れなかった
＿＿
「…行ってもうた」
はぁぁ…と深いため息
カチリとライターで煙草に火を着けて吸い込み吐き出す
それだけで普段の呼吸が有害な物に変わる
「…妹に名残がないわけやないけど…やっぱり…血ぃ繋がっとる気せぇへんせいで…見殺しにしようとしとったんやな」
フランツを捨てて逃げ出すこと
それは実の妹を…親の残した唯一の形見のような妹を捨てることと変わらない
それでも、もうこの国に名残は無いんや
「悪いけど、俺にとってはこんな国にいる義理はあらへんねん」
今日も煙草が変わらず美味しい
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夜空音 - MAGAさん» コメントありがとうございます！いえいえ、そんなに誉めてもらえるほどの物ではないですよ…けれど、そうやって応援してもらえると頑張ろうと思えます。今後ともよろしくお願いいたします (2017年4月9日 1時) (
レス) id: d75dbfea0a (このIDを非表示/違反報告)
MAGA(プロフ) - 貴方様の小説…とても好きです。雰囲気、内容、設定。そして表現の仕方…どれもが素敵です。今までコメントを送る勇気が無かったのですが、かなり前から見させていただいてました。これからも続き楽しみにしています。頑張ってください(^^) (2017年4月7日 0時) (レス) id: 3a4970e686 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - 5‐8さん» ありがとうございます！！魅力的だと言って貰えてとても嬉しいです…！一気に読んで疲れるような文章になっていたら申し訳ないです(・・;)まだまだこの話は続きますので、今後も楽しく読んでもらえるように頑張ります！応援ありがとうございます (2017年3月26日 22時) (レス) id: bfc721df53 (このIDを非表示/違反報告)
5‐8(プロフ) - とても面白く一気に読んでしまいました…それぞれの心情と行動全てが魅力的で、とても素晴らし小説に出会え感動しております…これからも応援しております！更新頑張って下さい！ (2017年3月25日 5時) (レス) id: a6f76012a7 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - 美桜さん» コメントありがとうございます。以下に人間性、現実、理想、そして個人の心をいかせるか頑張って書いているのでなかなか完結しませんが、 これからもよろしくお願いいたします (2017年3月20日 22時) (レス) id: bfc721df53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜空音 | 作成日時：2017年2月19日 9時
