7-2 : 鬱 ページ39
鬱side
「…ふぅー」
「大先生、煙草はうまいのか？」
「ん？美味しいよぐるちゃん。吸う？」
「一本くれ」
少し驚いた。あのぐるちゃんが煙草を寄越せといってきたんや。そりゃだれでも驚くやろ
「はい、ライターもどーぞ」
「……ふぅー」
「ぐるちゃん、煙草吸えるやん」
「昔少しだけな。でも、やはりまずい」
そういって、数回紫煙を吐き出したぐるちゃんはすぐに灰皿に煙草を押し付けた
「あー…貴重な銘柄やのに…」
「そうなのか？いつでも買ってやるから気にするな」
「ぐるちゃんってほんとそういうとこ甘いよね」
「…いいだろう？別に誰をどう甘やかそうと」
「…ねぇぐるちゃん。ぐるちゃんはあの新人ちゃんが好きなの？」
なんで聞いたかもわからない。けれど気になったから聞いてしまった
「別に…仲間として大切なだけだ。もっとも、それ以外の感情であいつに接する奴も多いがな」
「…そうか」
「大先生はどうなんや？…お前、Aの過去調べたやろ？」
「…」
「無言は…肯定と受け取ろう」
まぁどうせバレるよおもっとったよ
「ごめんなぐるちゃん、あんたがそういうの一番嫌いなの知っててやった」
「そうだな、俺は仲間のことは本人の口から聞きたい」
俺達の総統をここまで困らせるとは
俺もあの女も…変わらねぇな
「で？どうだった調べた結果は」
「別に、戦争の世の中ではありふれた、親無し子やで。実の親を無くして…犯罪に…って感じやな」
「そうか…」
「これ以上は本人に聞く？」
「あぁ勿論だ」
「そう…ふぅー…なぁぐるちゃん、もしあいつが俺達のこと嫌いになったら…出ていかせるの？」
「…そう…だな」
「せっかくの仲間なのに？」
「…仕方がないだろう。俺は…犯罪者やからな…それなのに、正義を気取ってここにいる」
「なら…俺達のこと…教えなくてエエんちゃう？」
言ったあとに驚いた。ぐるちゃんも綺麗な目を見開いてこちらを見つめてきた
「どうしたんだ大先生…お前、人間に固執するタイプだったか？」
「いや…別に…忘れて？」
煙草の味が消えた…俺は…何を…？
「あれだよぐるちゃん…俺と似てたから…同情してしまったんや」
誤魔化そう…こんな気持ち
「そうか…では、そろそろ部屋に戻ろう…話を聞いてくれてありがとう。大先生」
そういって俺の部屋から出ていくぐるちゃん
「…ははっ…まさか…俺が…な？」
過去を知ったくらいで…誰かを思うなんて
「ダメやろ？俺は…誰かを愛せないんやから」
そう言い聞かせた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 585人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花風雪(プロフ) - るーかさん» はい！はいはい！ (2019年11月24日 14時) (
レス) id: e781858e49 (このIDを非表示/違反報告)
るーか(プロフ) - 5-4のひとらんとの会話が好きな奴はいるか？ (2019年3月30日 21時) (レス) id: 16b4bf2d84 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - ひすいさん» 指摘、ありがとうございます。なるべく日本語を大切にして文章組んでいるのにまさかのミスでした(;´д｀) (2017年1月25日 23時) (レス) id: 8a7ed7cf46 (このIDを非表示/違反報告)
ひすい(プロフ) - 初めまして 初めてコメントをするのに内容があれなのですが4‐4の大統領の字が間違っているところがありましたのでご報告させていただきます (2017年1月25日 22時) (レス) id: 72a35cd0c8 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - メルカさん» コメントありがとうございます！過去編長くなりそうです…(;´д｀)読みやすさ重視できててよかったです！ (2017年1月23日 13時) (レス) id: 8a7ed7cf46 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜空音 | 作成日時：2017年1月15日 2時
