6-3 : 熱烈な歓迎…？ ページ30
Aside
ギィィ…
一度トントンに案内されたことのある図書室
中に入るのは初めてだった…これは…
「すっごい…」
壁を埋め尽くす本棚ここだけ二階分のスペースがあり天井が高い
本の匂いがしてくる…優しく落ち着く匂い
「あの…オスマンさん…来ましたよ…？」
返事はない
図書室は広くあまり見渡しも良くなくて
遠くまで見えず
落ち着いた雰囲気なのにどこか暗い
「あの…」
ﾀｯﾀｯﾀｯ…ﾄﾞﾝｯ…
「すみませんっ！」
優しい女性の声…え…女性？
声の主は私の目の前でしゃがみこむ
よくみると服も髪型も乱れていた
うつむいて嗚咽を漏らしている
「あ…あの…どうされました…？」
「ぁ…ああっ…ぅ…」
女性は図書室の奥を指差して一言
「お…おす…まん……が…」
相変わらず顔は見えないけれど
とにかくわかった。
…まさか大先生いがいにも女性を連れ込む人がいるとは
「大丈夫ですよ！とにかく落ち着いてください。…オスマンさんに取り次いで来ます」
自分の着ていたブレザーを女性にかけて
奥に歩いていく
「オスマンさん…なにやってるんですか？」
多少の怒りを込めて話しかける
返事の変わりに私は後ろへバランスを崩した
「なっ…！？」
「油断禁物めう〜」
…食堂で嗅いだのとは違う
甘い甘い香り匂い包まれた
目を開くと先ほどの女性が私を包んでいた
茶髪の長い髪に緑色の瞳…
さすがにここまでいけば私もわかる
「騙しましたね…？」
「まさかひっかかってくれるとは思わへんよ」
「はぁぁ…私もバカでした…声で気づければ」
「外交にこういうのはつきもんや。この男社会なんて、かわええ方が得やからね」
「だからといって女装してまで部下を騙すのはどうかと思います」
「かわええやろ？」
「はい。ムカつくほど似合ってます」
すごく…女として負けた気分なんだよなぁ
実際、オスマンさんは完璧な変装をしていた
薄く化粧をして綺麗なドレスに身を包んでいる彼はもう本物の女性に見えた
けれどしっかりした腕や大きな手をみれば
男の人だというのは確りと伝わってくる
「降参するので離してください」
「…！せやった。今俺は、かわええ部下の腰に手を回して唇に指を添えとるんやな」
「解説しないでいいです」
「…エエの？そないに真っ赤な顔して…俺に全部委ねたらええのに…」
耳元で囁かれる
甘い香りと甘い言葉…脳ミソが溶けてしまいそうな感覚に陥る
「女性の格好で言われても動じません」
そのくらいしか言い返せる言葉がなかった
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花風雪(プロフ) - るーかさん» はい！はいはい！ (2019年11月24日 14時) (
レス) id: e781858e49 (このIDを非表示/違反報告)
るーか(プロフ) - 5-4のひとらんとの会話が好きな奴はいるか？ (2019年3月30日 21時) (レス) id: 16b4bf2d84 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - ひすいさん» 指摘、ありがとうございます。なるべく日本語を大切にして文章組んでいるのにまさかのミスでした(;´д｀) (2017年1月25日 23時) (レス) id: 8a7ed7cf46 (このIDを非表示/違反報告)
ひすい(プロフ) - 初めまして 初めてコメントをするのに内容があれなのですが4‐4の大統領の字が間違っているところがありましたのでご報告させていただきます (2017年1月25日 22時) (レス) id: 72a35cd0c8 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - メルカさん» コメントありがとうございます！過去編長くなりそうです…(;´д｀)読みやすさ重視できててよかったです！ (2017年1月23日 13時) (レス) id: 8a7ed7cf46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜空音 | 作成日時：2017年1月15日 2時
