ep10 ページ10
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バシャンと頭から被った水が、全身を冷やしていく。
「何？今更正義感振りかざして、偽善者気取り？」
『や、やめて！私の為に喧嘩しないで！』
ヒロインが大きな声で叫んだ時、教室の扉が開く。
『…透くん、！』
道枝「行こう、」
2人は手を繋いで教室から去ると、惨めに周りは私を見る。
涙が、一粒頬を伝う。
こんなのひどい。私は透くんを大好きで仕方なくて、ずっと一筋だったのに。
ぽっと現れたあの女に早々と取られてしまって、結局独り。
誰にも愛して貰えない辛さも、片想いの切なさも、この水と共に流れてしまえばいいのに。もっとかけてくれていいのに。
静かに目を瞑って祈った。
「来世でも、透に出会えますように、」
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『カット！』
監督のカットにより、ふわっとかかるタオル。
風邪ひきそうなほど寒い…
『何！？最後のセリフはアドリブ！？』
「え！？なんか私言ってました！？ごめんなさい、！」
記憶ないところを見ると役に入り込んでいたらしい。
だって道枝くんもヒロインの子にも憎しみの感情沸き起こっていたきがする。
『めちゃくちゃいいじゃん！採用するね！』
ありがとうございます！と大きな声で返事をすると、後ろから、「すご」と声が聞こえ、思い切り振り向く。
「み、道枝くん、」
道枝「さっきは別人みたいやったな笑」
「え、そうかな、」
道枝「うん、自信があって、堂々としてたし。かっこよかった」
全然違うと言われ、嬉しくないと呟くとイタズラした子供のようにクシャッと笑う。
道枝「なんでそんな上手いん演技」
「上手くないよ…」
道枝「めっちゃ上手やで？」
「多分似てるんだよね…この子。性格は違うけど、他は…うん似てるかも。」
本当の自分を見つけられずもがいて苦しんでる感じも、
誰かの1番になりたい気持ちも、
…道枝…透を一途に想う気持ちも同じだ。
道枝「そしたら、俺に片想いしてるってこと？」
「へ！？」
図星で耳がみるみるうちに赤くなる。
サッとタオルで隠すが、バレなかっただろうか、心臓がバクバクだ。
道枝「や、冗談やって！！！突っ込んで！笑」
「わ、もっと冗談っぽく言ってよ…！」
道枝「恥ずなってきた、笑笑」
行くわ、と撮影陣の方に戻っていく。
「そうだよ、ずっと好き…」
つい小さな声で本音がこぼれた。
『へー？』
「え」
西畑「なるほどね？」
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リム子(プロフ) - nanisho48さん» 全力嬉しいです、、！！😭ありがとうございます🥹💖 (12月4日 1時) (
レス) @page15 id: 328e1440a5 (このIDを非表示/違反報告)
nanisho48(プロフ) - 今一番好きな小説です！大吾くんが出てきて更に面白くなる予感(*^^*)更新楽しみにしてます！ (11月23日 21時) (レス) @page14 id: b11abf2238 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リム子 | 作成日時：2023年10月20日 9時
