ep17 ページ17
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美月「何かを犠牲にして君を得る…」
ポツリと呟く美月の顔を覗き込んだ。
「どうしたの？」
美月「いやさ、歌詞がしっくり来ないんだよね〜」
美月が頭を悩ませてるその歌詞とは、私たちの新曲だった。
確かに、何かを犠牲にして君を得るなんて共感は難しいと思う。
「犠牲にしないとその人と出会えないのかもね、」
犠牲にしたいと思うほど、誰かを想ったことがあるだろうか。
よくちまたでいう、「世界を敵に回しても君の味方でいるよ」的なやつだ、
美月「いーなー、アイドルだからそんな恋愛は出来ないねぇ」
「そうだねぇ」
美月「人間だから恋には落ちるけどさあ、」
誰かを思い浮かべるような表情に、あれ？と首を傾げる。
まさか、美月には、、想う人が、？
「誰のことを考えたの？」
美月「へ、！？べ、別に！？」
急いで立ち上がる彼女を追いかける。
私までドキドキしてくる。
「なんで教えてよ！」
美月「私は！！！絶対無いよ！！！」
声を荒らげる美月に、ほかのメンバーも驚いて顔を上げる。
「な、何が」
美月「アイドルになるって、オーディションに参加した時から、覚悟決めてるから、…」
みんな言葉が出ずに、静かに頷く。
そうだった、何を私は浮かれてたんだろう。
そっと持っていたスマホの画面を開いて、映画撮影時に撮った道枝との写真を開く。
この、優しく微笑む、口元を緩ます表情が大好きだった。
「…私たちは、誰かの夢の上で生きているんだもんね。」
私だってそうだったはず。覚悟を決めてここにいたつもりだったのに。
ぎゅっと目をつぶってから、うっすら見える削除のマークを押した。
私たちは、アイドルだということをもっと自覚するべきだ
美月の気持ちを殺して欲しくない反面、絶対世にバレないでという止める心もあって、それは自分のこともそうだ。
私の胸の奥で優しく、暖かい道枝が生きていく。
それだけで十分だとまた胸に刻んだ。
「何かを…犠牲にして君を得る…」
犠牲にしても、君を得ることは出来ないかもしれないけれど、それはきっと好きとか恋とかそんなもんじゃない。
曲の題名は、『永遠の愛』だった。
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リム子(プロフ) - nanisho48さん» 全力嬉しいです、、！！😭ありがとうございます🥹💖 (12月4日 1時) (
レス) @page15 id: 328e1440a5 (このIDを非表示/違反報告)
nanisho48(プロフ) - 今一番好きな小説です！大吾くんが出てきて更に面白くなる予感(*^^*)更新楽しみにしてます！ (11月23日 21時) (レス) @page14 id: b11abf2238 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リム子 | 作成日時：2023年10月20日 9時
