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中学校三年生の冬。
最後の授業終わりに、全員からノートを回収していた。
私の机に雑に置かれていくノートを、必死に拾い上げて積み重ねる。
誰も私の事なんて考えちゃいない。別に考えて欲しいとは思わないけど、少しくらい想像力を身につけなさいよ、
なんて文句を心の中でボソリと呟く。
全員分揃ったかなと数えると1枚足りない。
…道枝駿佑だ。
彼は小さな頃からジャニーズJrに入っているイケメンで、誰もが好きになる学校１のモテ男。スーパーアイドルだ。
道枝の席を振り返って見ると、頬杖を付いてうたた寝している。
う、美しい…
あまりの綺麗さに思わずヨダレが垂れそうになるのを堪え、「道枝くん」と呼ぶ。
がしかし、全く起きない。
そりゃ毎日練習で疲れるよなあ、、、
起こさぬようにそっと机の上にあるノートを取る。
最後のページだけ開いて、やってあることを確認する。
道枝「やってあんで」
急に起きた道枝に驚いてノートを落とす。
謝りながら拾おうとしゃがむと、道枝駿佑も一緒にしゃがんでいた。
机と机の間に、2人だけの空間。不思議な感覚になって、道枝の顔を見るとノートより私を見ていた。
ばちっと合う視線に、脈がスピードを上げていく。
「起きてたの…」
道枝「あの量1人で運ばれへんやろ？」
いつも任されて大変やな、と優しく微笑んで、先に立ちあがったのは道枝だった。
吸い込まれてしまいそうだった、、やめてほしい、、できる限り距離を取りたいのに、、
密かな片思いは、このまま密かにしていたい。
関東から関西へ転入してきた私に優しくしてくれたのは道枝が初めてだった。
「寝たフリはそういうこと、？」
んー？？とぼけながらノートを持ち上げる。
半分持ってと言われた半分は、半分ではない。ほぼ道枝じゃないか。
こういう、小さな、いや大きな優しさが大好きだ。
この人はこうやっていつも誰かを思いやって過ごしてきたんだろうなって思う。
「ありがとう、」
何を話す訳でもないし、仲がいい訳でもない。
ただ周りが気づかないことをサラッと魔法使いのように気付いてくれる、
そんな道枝駿佑の背中を見つめたまま
中学校、学生生活は終わりを迎えた。
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リム子(プロフ) - nanisho48さん» 全力嬉しいです、、！！😭ありがとうございます🥹💖 (12月4日 1時) (
レス) @page15 id: 328e1440a5 (このIDを非表示/違反報告)
nanisho48(プロフ) - 今一番好きな小説です！大吾くんが出てきて更に面白くなる予感(*^^*)更新楽しみにしてます！ (11月23日 21時) (レス) @page14 id: b11abf2238 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リム子 | 作成日時：2023年10月20日 9時
