ep1 ページ1
.
『あれ、小海さん？…やんな？？』
廊下で1度は通り過ぎたのに、振り向いてわざわざ声をかけてくれた。
突然の言葉に上手く返事ができず、「は、はい！」と大きな声で答える。
『間違ってたら、どうしよかと思たわ〜』
「よく、分かったね…全然私、面影とかないのに」
そりゃそうなんだ。
だって私は中学校で一番真面目で、優等生で。
校則なんて破ったことない。目立たず静かに過ごしていた。
それが突然、こんな化粧っ気出して、お洒落な服を着て踊ってるんだから、、分かりっこない。
まずこんな影の薄い私の名前を覚えてくれている時点で神様か何かだ。
『え？わかるわ！そんくらい笑笑』
「え！？な、え！？」
彼はフハッと口元緩まして微笑む。
『小海さん、昔から綺麗やったやん』
私が三年間密かな片思いをしていた"道枝駿佑"は、
変わらずに素敵な笑顔で私へ微笑んでくれた。
「なにを、言って、」
「撮影始まりまーす！」という声に、道枝は返事をして、じゃまた！と元気よく行ってしまった。
背中を見つめて、高鳴る胸を手のひらで押さえた。
こんなに時間が経っても、やっぱりずっと好きだ。
もし会えてしまったらどうしようと何度も考えた。
でも何度考えても、私たちが恋をするなんて想像つくはずもない。
ずっと平凡で、ずっと普通だった私が急にこんな舞台に立ったとて、何かが変わるわけじゃない。
それでも、少しでも長く話したくて、
また会えますようにと小さく願った。
あわよくば、彼の瞳に私がまた映りますように＿＿
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 394人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リム子(プロフ) - nanisho48さん» 全力嬉しいです、、！！😭ありがとうございます🥹💖 (12月4日 1時) (
レス) @page15 id: 328e1440a5 (このIDを非表示/違反報告)
nanisho48(プロフ) - 今一番好きな小説です！大吾くんが出てきて更に面白くなる予感(*^^*)更新楽しみにしてます！ (11月23日 21時) (レス) @page14 id: b11abf2238 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リム子 | 作成日時：2023年10月20日 9時
