ep32 ページ32
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小さい頃に親が離婚をした。
どちらかが病気で〜とか、片方が夜逃げして〜とか、
そんなドラマみたいなことではなくて、単に価値観不一致で離婚成立。
母と暮らすんだと思っていたがその時は父に引き取られた。
向こうにはもう新しい家族が出来ていて、子供ながらお母さん元気だな、モテるんだなって思った。
父に引き取られて数年経つと、こちらにも新しく家族が出来る。
中学三年生の私は思春期真っ最中なので、他人が家にいるということを受け入れるには少し時間が必要だった。
気付けば近くに住む祖母に家に入り浸り、結局大学生になって一人暮らしを始めるまでは祖母宅で快適に過ごしていた。
一人暮らしのきっかけは、祖父が亡くなって出なくては行けなくなったから。
その時私は一人ぼっちという言葉が今1番当てはまると思ってかなり落ち込んでいたし不安でいっぱいだった。
だから、彼も、友達も、全力で大好きだった。
持っている全ての愛を注力できたのに。
ゆっくり瞼を開けると、綺麗な顔がすやすやと眠っている。
また私はこうやって、道枝が既に取っていた横浜のホテルにいて、一緒に寝てしまった。
道枝に優しく触れられる度に、固く閉ざしてきたドアを1枚1枚開かれる気分になる。
いつか、私の中で大きな存在になったら、応えてくれるのだろうか、
陶器のような頬に優しく触れると、むにゃと少し動き出す道枝。
焦って反対側に寝返りを打って、背中を向けた。
心臓が、はち切れそう…
すると、スっと長い腕が私の腹の方まで伸びる。
後ろからギュッと抱きしめられ、もうそれはドキドキとかそんなもんじゃない。ドギドギとか、ドギャドギャとか、なんて言ったらいいんだろう、、
とにかく血管がブチ切れそうなほどドキドキしてしまう。
吐息が耳元にかかる度に、人の温もりに安心する。
また、少しだけ顔が見たくて、振り返る。
道枝「…起きてるやん」
「え、っびっくりした。」
バチッと目が合うことに驚いて目を逸らす。
道枝「なんでそっち向くん、」
「なんとなく、？」
道枝「そんなん理由にならへんから」
肩を寄せられ、結局お互い向き合う。
改めて目が合うと、照れてクシャッと笑う。
優しくて、甘酸っぱい、
こんなに優しくて、可愛いキミがいつか誰かとこんなあまい夜を迎えるなんて
今は考えたくもないな。
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リム子(プロフ) - おかゆさん» ありがとうございます💖💖 (11月20日 17時) (
レス) id: 328e1440a5 (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ(プロフ) - スタンディングオベーションです大優勝 (10月19日 22時) (レス) id: cd616799f2 (このIDを非表示/違反報告)
Ange(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！次回作も楽しみにしています！ (10月18日 9時) (レス) @page50 id: b0ff7635b1 (このIDを非表示/違反報告)
リム子(プロフ) - 匿名さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます🥹💖💖 (10月9日 18時) (レス) id: 328e1440a5 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 毎回、いつ更新されるんだろう！と楽しみにしながら読ませてもらっています！これからも応援してます🫶 (10月7日 14時) (レス) id: 42fe11d827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リム子 | 作成日時：2023年8月9日 21時
