ep13 ページ13
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『 天気は雨だった。
雨の日は憂鬱になると皆は言うけれど、私の場合は違う
聞こえてくる雨音に耳を傾けながら、
水溜まりに思い切り踏み込んで、水飛沫が上がった。
なんの躊躇もなく、彼へ思い切り飛び込めればいいのに。
どうしたって叶わないのだから 』
ページを捲り、次の文章へ目線を移すと、思わず恥ずかしくなって本を閉じた。
貸せない。貸せるわけが無い。
今日予定は、大橋の撮影現場にサプライズで向かい、私の本を貸すことだった。
しかし、大橋へ片思いしている時の本を大橋に渡すって…
告白しているようなものでは無いか！
無理！絶対に嫌！
登場する青年が、えくぼが特徴的な向日葵のように笑う歌手という設定の時点でバレてしまいそうだ。
「うぅ…何故…、！」
唸っていると、書店の先輩である吉沢さんに頭をペシッと叩かれる。
ちなみに吉沢亮に似てるから吉沢と呼んでいる。(本名は吉村。)
吉沢「休憩室で唸らないで貰えますか」
「吉沢さん、パワハラです…イケメンでも許しません」
吉沢さん目当てに来るお客さんはめちゃくちゃにいる。
看板男と言ったところで、仕事はできるし、有名な大学の院生だしで、非の打ち所がない。
強いて言うなら女性に冷たいところだ。
吉沢「何をそんなに悩んでるんですか？」
「この前言ったじゃないですか」
吉沢「推しと結婚って最高じゃないですか」
はあとため息をついてまた頭を抱える。
その横にだるそうに座った吉沢は、きっと話を聞いてくれようとしてるのかもしれない。
なんだかんだ優しい。
「だから、本当に好きなのに一緒に居なくちゃいけないって、やばいですよ！」
吉沢「え？良くない？あわよくば、」
「そんなこと出来ないです！」
そもそも私のことを好きになるなんてありえない話なのに、
もしなにかの奇跡でお互いが惹かれたとしても、
絶対に叶うことはないと思う。
理由は、私の書いた『カフネ』のラストが、ハッピーエンドだと、結婚式だと言ったが、
あれは主人公が優しい夢を見ていたという結末だった。
実際は叶うことの無い、
ありえない想像を、眠りながら思い描いて終わる。
それがハッピーエンドだと、言えるのか分からないけど
大橋との最後は思い描けない。それが全てだと確信もある。
「時間だ、上がりますね」
新しく買った『カフネ』を持って彼の元へ向かう。
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リム子(プロフ) - ぷりんさん» めちゃくちゃ嬉しいお言葉ありがとうございます…！🤍お優しいお気遣いもありがとうございます！🥹 (2023年2月5日 10時) (
レス) @page46 id: 328e1440a5 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん(プロフ) - いつも楽しみにしてます！！！大橋担だからかほんとにこのお話大好きで…！！また更新楽しみにしてます！！あ、急かしてるって思ったらごめんなさい！！リム子さんのペースで頑張ってください！！！ (2023年2月3日 4時) (レス) @page46 id: b5e3e3f85d (このIDを非表示/違反報告)
リム子(プロフ) - 夜宵依さん» とてもとてもありがとうございます😭✨️嬉しすぎるお言葉過ぎます…！！！これからも宜しくお願いします！♡ (2023年1月11日 10時) (レス) @page21 id: 328e1440a5 (このIDを非表示/違反報告)
夜宵依 - 全作読みました！凄く面白かったです！リム子さんの言葉選びがすごく好きです……！更新楽しみにしています！ (2023年1月9日 12時) (レス) @page16 id: 0da497ae3a (このIDを非表示/違反報告)
リム子(プロフ) - まぁさん» まぁさんの暖かいお言葉にとても元気頂きました😭✨おかげさまで復活です！いつもご覧いただきありがとうございます🥹❤️🔥 (2023年1月6日 23時) (レス) id: 328e1440a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リム子 | 作成日時：2022年12月19日 21時
