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〜fkr side〜


新しい案件がほぼ同時に企画スタートし
忙しい毎日を送っている。
相手先との打ち合わせが増えて、社内の会議が増えて、
動画の合間も連絡を取ったりバタバタ過ごしていて、
中々ゆっくりデスクで仕事をすることもない。


次のAさんとの約束にこぎつけようと
お互いのオフの日をチェックしているが
自分のテレビの撮影などで中々合わない。


新しく入った松田さんと上手くやっているか
気になって連絡を取ってみるが
彼女は「大丈夫です。」としか返さない。


そんな今日は久しぶりに
動画をまとめて撮影する日。

色々準備もあり、少し早めにオフィスへ行くと、先客が居た。


「おはよー。」
「あ、ふくらさん。なんか久しぶりですね。
 おはようございます。」


にっこり笑って挨拶をしてくれるAさん。
その笑顔に似合わず、少し目の下のクマが気になり、
デスクは以前見たときより、いくらか付箋が増え、
書類やファイルが乱雑に置かれている。


「大丈夫?なんか、手伝おうか?」
「大丈夫です。机の上汚いですよねー。」


あはは、と笑いながら、書類の束やファイルを、
自分のデスクとの間にあるラックに片づける。


「最近、忙しいの?」
「いや、他の皆さんに比べたら全然です。」
「ちゃんと寝てる?クマがすごいよ。」
「本当ですか?寝てるのになー…」


目の下を押さえながら答えるAさん。
少し心配になる。


「松田さんだっけ?新しい人とはどう?」


彼とはあまり深く話す暇もなく1週間近く経っていた。


「すごい仕事早くて、置いてかれないように必死です。」


これもまた、あははと笑いながら答える彼女。
目の下のクマも、机の上が散らかっているのも、
少し原因が分かった気がした。


「今日、撮影終わったらさ、ご飯行かない?」
「え?あ、今日ですか?」
「何か予定ある?」
「いや、大丈夫です。
 頑張って仕事終わらせますね!」


よしっ、と小さな声で気合を入れると、
すぐにパソコンに向き合った。


「仕事、キリのいいところまで待ってるし、
 無理せずね。」
「ありがとうございます。」



彼女はキーボードを打ちながら、
目線を画面から外さずそう答えた。

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作品ジャンル:恋愛
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琥珀(プロフ) - ユメさん» このシリーズ初めてのコメントがユメさんで、最後もコメントくださって本当に嬉しいです!何とか2人を幸せのスタートラインに立たせれました!そうなんです!首を触る癖めちゃくちゃいいんですよね〜最後まで読んでくださって本当にありがとうございました! (12月16日 21時) (レス) id: 5ab7100f31 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - fkrさんの首に手を当てて話すクセ、魅力的ですよね(完結おめでとうございます! 最後までてえてえたっぷりで大満足です!) (12月16日 16時) (レス) @page42 id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:琥珀 | 作成日時:2023年9月17日 23時

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