検索窓
今日:7 hit、昨日:12 hit、合計:22,899 hit

40 ページ40

今度は、はっきり聞こえる「好き」の二文字。

でもやっぱり驚きの方が勝って、目を大きく見開いて、
彼女の方を見る。顔が真っ赤だ。



「すいません、急に。
 でも、私、自分の気持ち、
 ちゃんとふくらさんに言えてなかったなって。

 オフィスでちょっとでも話せて嬉しいなって思ったり、
 一緒に帰りたいけど忙しくされてて、
 ちょっと寂しいなって思ったり、
 今日のデート、すごく楽しみだったり…」



自分と同じことを彼女が思っていてくれて
少しずつ嬉しさが込み上げてくる。



「なんか、こういうのが好きなのかなって…」


堪らなく愛おしくなって、彼女に触れたくなるが、
その前に自分の心の内も話しておこうと思い
言葉を発する。


「俺、もしかしたら自分だけが
 好きなんじゃないかなって
 ちょっと不安だったんだよね。
 気を遣ってOKしてくれたのかな、とか。

 だから、嬉しい。ちゃんと聞けて。」


また、目が合って、彼女は恥ずかしそうに笑って、
俺もつられて笑った。


その時、会場のライトが消えて暗くなる。


「あ、はじまりますね。」


センターの水槽に向き直って座った彼女の横に
ぐっと近づいて座り直した。


心臓がどきどきする。
ショーに集中できるだろうか。


そんなことを思ったのも束の間
音楽と共に始まったショーに惹きこまれていく。


キラキラとした水しぶき、華麗なイルカの技、
彼女も隣で手を叩きながら、小さな声で「おお」と、
感嘆の声を上げている。


BGMも光の演出も大きくなりフィナーレを迎えたショー。


一旦すべてのライトが消えて、数秒後。
通常の照明に戻って辺りが明るくなる。


アナウンスの声が聞こえて、
ショーが終わったことが合図された。

41→←39



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (48 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
176人がお気に入り
設定タグ:QK   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

琥珀(プロフ) - ユメさん» このシリーズ初めてのコメントがユメさんで、最後もコメントくださって本当に嬉しいです!何とか2人を幸せのスタートラインに立たせれました!そうなんです!首を触る癖めちゃくちゃいいんですよね〜最後まで読んでくださって本当にありがとうございました! (12月16日 21時) (レス) id: 5ab7100f31 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - fkrさんの首に手を当てて話すクセ、魅力的ですよね(完結おめでとうございます! 最後までてえてえたっぷりで大満足です!) (12月16日 16時) (レス) @page42 id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:琥珀 | 作成日時:2023年9月17日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。