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看板に書かれていた通りに進んだはずだったが、
中々そのお店にたどり着かない。
「方向音痴、炸裂してますね。」
さっきも乗った気がするエスカレーターで、
一つ下の階に移動する。
ふくらさんは自分の前に立っていて、
こっちを見上げてくる。
「まあ、これもこれでいいんじゃない？」
ふふと、微笑むふくらさんに目が釘付けになる。
エスカレーターを降りると、
正面にパスタのランチメニューの看板が立っている
お手頃なカフェが見えた。
「もう、ここにしない？」
「はい、パスタ美味しそうです。」
諦めモードのふくらさんの提案を
すんなり受け入れて、そのお店に入り、
２人掛けのテーブルに案内されて腰掛ける。
メニューを2人の間に置いて一緒に選ぶ。
「結構お腹ぺこぺこ。」
「私もです。もうお昼過ぎてますもんね。」
「うーん、悩むなあ。」
どれも美味しそうで、目移りする。
一通りメニューをめくり終えても
まだ決まらない。
「決まった？」
「いや、迷ってます。
このパスタと、このパスタ
どっちにしよう。」
優柔不断な私に、ふくらさんは
優しい提案をしてくれた。
「これ、ふたつ頼んでさ、
シェアしたらいいじゃん。」
「え？いいんですか？
でもふくらさんの食べたいもの…」
「あ、俺、これも頼むから、
食べれるだけ食べたらいいよ。」
と言って指差すのは、お肉の乗ったプレート。
全部食べ切れるのか心配になるけど、
確かふくらさんはたくさん食べるんだった。
店員さんを呼んで注文をして、
料理が届くのを待つ。
少しの沈黙を誤魔化すように、
お冷を口に運びながら店内を見まわした。
「いいとこだね。」
「ですね。
この辺よく来るんですか？」
「いやー、あんま来ないかなあ。」
首筋に手を当てて話すのはふくらさんの癖。
「ここの水族館も初めて行くよ。」
「私もです。」
「じゃあちょうど良かった。」
程なくして料理が届いて、
小皿に分け入れながら食べ始める。
案外どんどんお腹に入っていって
2人でペロリと平らげてしまった。
「「ごちそうさまでした。」」
お腹が満たされて幸せな気分になり
そのまま店を出た。
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琥珀(プロフ) - ユメさん» このシリーズ初めてのコメントがユメさんで、最後もコメントくださって本当に嬉しいです！何とか2人を幸せのスタートラインに立たせれました！そうなんです！首を触る癖めちゃくちゃいいんですよね〜最後まで読んでくださって本当にありがとうございました！ (12月16日 21時) (
レス) id: 5ab7100f31 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - fkrさんの首に手を当てて話すクセ、魅力的ですよね(完結おめでとうございます！ 最後までてえてえたっぷりで大満足です！) (12月16日 16時) (レス) @page42 id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥珀 | 作成日時：2023年9月17日 23時
