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〜fkr side〜



撮影が終わってデスクに戻ると、
Aさんが顔を近づけて来て、
また松田さんと何かあったのかと一瞬心配したけど、
一緒に帰ろうという誘いで頬が緩んだ。


オフィス出るタイミングが一緒だと
色々まずいかなと思いつつ
いずれはみんなに知らせないといけないことだし
Aさんに声をかけてオフィスの外へ出た。



「今日はありがとうございました。」


出てすぐ、彼女が口を開いた。


「松田さんとのこと、須貝さんもそうだったんですけど、
 ふくらさんも色々気を遣ってくださって
 本当にありがとうございます。」
「いやいや、その場で咄嗟に助けられたらよかったんだけど、
 一歩出遅れちゃって、須貝さんに任せちゃった。
 俺もごめんね?前々から2人の関係に違和感みたいなの
 感じてたんだけど、中々言えなくて。」
「何でふくらさんが謝るんですか。
 誰も何も悪くないです。」


少し沈黙が流れる。


「あ、そうだ。次の休み…」


何か話題を繋ごうと必死に探して思い出したのは
次のデートの約束だった。

スマホを取り出して、休みの予定を伝えると、
2週間後の休みが被っていることが分かった。


「何も予定ない?」
「はい、何もないです。」
「じゃ、どっか出かけよっか。」
「はい!」


彼女もスマホを取り出して、
その日の予定を打ち込んでいる。


「楽しみですねー。」
「そうだね。」


にこにこしながらそう言う彼女。
横を並ぶ彼女の左手が空いていて、
手を繋ぎたい衝動に駆られたが、
一応ここはオフィスからの最寄り駅ということで、
どうにか気持ちを落ち着かせる。


「今日は仕事終わるの待っててくれて、ありがとう。」
「いえ、ふくらさんにちゃんとお礼言えてなかったので。」
「一緒に帰れて嬉しかったよ。」
「…あ、わ、わたしも…よかったです。」


照れた様に慌てて返す彼女に頬が緩む。


「ふくらさんに、また笑われてしまいました…。」


そう言って両手に顔をうずめる姿も
また可愛いなと思ってしまう。

もっと他愛のない話をしていたかったが
改札に着いてしまった。


「じゃ、また、明日。」
「お疲れ様でした。」


小さく手を振って歩き出す彼女を見送って
自分も帰路に着いた。

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作品ジャンル:恋愛
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琥珀(プロフ) - ユメさん» このシリーズ初めてのコメントがユメさんで、最後もコメントくださって本当に嬉しいです!何とか2人を幸せのスタートラインに立たせれました!そうなんです!首を触る癖めちゃくちゃいいんですよね〜最後まで読んでくださって本当にありがとうございました! (12月16日 21時) (レス) id: 5ab7100f31 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - fkrさんの首に手を当てて話すクセ、魅力的ですよね(完結おめでとうございます! 最後までてえてえたっぷりで大満足です!) (12月16日 16時) (レス) @page42 id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:琥珀 | 作成日時:2023年9月17日 23時

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