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「じゃあ、須貝さんと2人でご飯行かせてよかったの?
 本当は2人で行きたかったとか?」
「んー、どうなんだろうね。」


空笑いするふくらさん。


「こういう時、さっと手を差し伸べられたらなって
 思っただけ。」
「お昼ごはん買い取るのナイスだと思ったけどね。
 まあ、サラダだったのは大誤算だったけどね。」
「まあね。」


少しいつもに戻った笑い方。


「気長に行くしかないかー。
 付き合うことにはなったから舞い上がってたけど
 Aさんの本当の気持ちというか、
 そういうのよくわかんないままだなと思ってさ。」



オフィスで見る限り嫌な感情は見えないし
むしろ好意を抱いているように僕の目に映っていた。
ふくらさん、そういうところ敏感そうなのに。
恋は盲目って言葉、本当なのかもしれないなんて
見当違いなことが頭に浮かんだ。



「Aさん、ふくらさんのこと
 頼りにしてると思うけどな。」
「そうであってほしいけど。」


コンビニについて、適当な昼食を買い
オフィスに戻る頃には、徐々に表情も戻ってきた
ふくらさん。


ソファに座って2人で、お昼を食べ始めていると、
乾が隣にやってきて座った。


「松田さん、何なんすかね。」
「乾、それ以上言ったらだめだよ。」


ふくらさんが乾の口を止めた。


「ふくらさん、心配じゃないんですか?」
「心配なのと、松田さんのことを言うのは別でしょ。」
「まあ、そうっすけど…」
「伊沢と須貝さんが、うまいことやってくれてるよ。」


さっきまでの上の空のふくらさんはどこへいったのか
きっちりオフィスの均衡を保つために言葉を選んでいる。


「乾、これ食べる?」


僕が今できる最大限の和ませは
さっきコンビニで買った小さなお菓子を
乾に渡すことくらいだった。

乾もそれを受け取ると口に運んで
少し腑に落ちない顔をしながらも
松田さんに関することを話すことはなかった。

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作品ジャンル:恋愛
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琥珀(プロフ) - ユメさん» このシリーズ初めてのコメントがユメさんで、最後もコメントくださって本当に嬉しいです!何とか2人を幸せのスタートラインに立たせれました!そうなんです!首を触る癖めちゃくちゃいいんですよね〜最後まで読んでくださって本当にありがとうございました! (12月16日 21時) (レス) id: 5ab7100f31 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - fkrさんの首に手を当てて話すクセ、魅力的ですよね(完結おめでとうございます! 最後までてえてえたっぷりで大満足です!) (12月16日 16時) (レス) @page42 id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:琥珀 | 作成日時:2023年9月17日 23時

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