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〜ymmt side〜


いやいやいやいや、ふくらさん。
いやいやいやいや、須貝さん。

あなたたち、怖すぎるでしょ。
あ、いやこれは別に暴言、暴力とかじゃないよ?

何というか、圧のある視線?


事の発端は、さっき松田さんが発した言葉。
Aさんとデータを見ながら
僕たちには分からない事務のやり取りをしているが
明らかに良くない雰囲気の言葉が耳に入ってくる。


「え?こんな効率の悪いやり方でやってたんですか?
 それは、こうやった方が…」
「あ、ごめんなさい。次から、そうしてみますね。
 ありがとうございます。」


そう言って、手元のメモ帳にやり方を書き込んでいるAさん。
素直なのはいいことなんだけど、
こんな風に言われて嫌な気持ちにならないだろうか?
むしろ、Aさんは大丈夫でも
須貝さんとふくらさんが大丈夫ではなさそう。


めちゃくちゃ、睨んでるし。
まあ、僕ですらあんま良い気持ちしてないもんね。


「なあ、A。そろそろ昼飯行かん?」
「え?昼ごはんですか?
 今日買って来ちゃってて…すいません。」


机の上に置いてあった、レジ袋をがさがさと触るAさん。


「俺、それ買い取るよ。須貝さんとご飯行っといで。」
「え?でも、ふくらさん…」
「いいの、いいの。」

「じゃあ、松田さん。お先にお昼失礼します。」


ふくらさんの言葉に後押しされて、
須貝さんが、半ば強引にAさんを連れ出した。



「松田、メシ行こうか。」


松田をご飯に誘ったのは伊沢さん。
うっす、と返事をして一緒に出て行った。

残ったふくらさんは彼女から受け取ったレジ袋の中から
お昼ご飯を取り出したが何も言わずにまた袋に戻した。サラダだった。


「ふくらさん、ご飯買いに行く?」
「え?ああ、行こうかな。」


見かねた僕は、冴えない表情のふくらさんを連れて外へ出た。


「あの言い方は、ちょっと良くないね。」
「まあ、伊沢がうまく言ってくれてると思うけど。」


ふくらさんの表情は曇っているようだった。


「で、最近Aさんとどうなの?」
「ああ、付き合ってる。昨日から。」


上の空でそんなことを軽く喋っているふくらさんだけど
結構な爆弾発言だからね。しかも、昨日って。
めちゃくちゃタイムリーじゃん。


「え?マジ?」
「こんなので嘘ついたって仕方ないでしょ。」


本人は何も気にしていない様子で、心ここにあらずだった。

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作品ジャンル:恋愛
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琥珀(プロフ) - ユメさん» このシリーズ初めてのコメントがユメさんで、最後もコメントくださって本当に嬉しいです!何とか2人を幸せのスタートラインに立たせれました!そうなんです!首を触る癖めちゃくちゃいいんですよね〜最後まで読んでくださって本当にありがとうございました! (12月16日 21時) (レス) id: 5ab7100f31 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - fkrさんの首に手を当てて話すクセ、魅力的ですよね(完結おめでとうございます! 最後までてえてえたっぷりで大満足です!) (12月16日 16時) (レス) @page42 id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:琥珀 | 作成日時:2023年9月17日 23時

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