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〜you side〜


乾くんのアドバイスがあって、
仕事帰りのふくらさんを誘うことにした。
無事に誘うことができて、
そのまま彼に今の自分の気持ちを伝えることができた。

そして今、話が一段落して私のスマホで
現在地を確かめている。


「もう少し行ったら、駅ですね。」
「ほんとだ、電車乗ってそのまま家まで送るよ。」
「いえいえ、ふくらさん明日朝
 打ち合わせで早いですよね?
 まだそんなに遅くないんで1人で帰れますよ。」


スマホをぐるぐる回しながら、進む方向を確認する。


「あ、こっちの道ですね。」


私が指した方向へ2人で歩き出す。


「俺とA、どっちが方向音痴ひどいんだろうね。」
「うっ、え…ああ、ふくらさんじゃないですか?」
「ははは。うっ、ってなに?」


急に下の名前で呼ばれて、心臓が飛び跳ねる。
そして、ふくらさんに笑われる始末。


「下の名前で呼ばれ慣れてないんです。」
「いやいや、オフィスでみんなから
 Aさんって呼ばれてるじゃん。」
「ふくらさんからは、別です…。」


そう言うと更に笑い声をあげる彼。
私と居て楽しそうにしてくれてるのは一安心だけど、
自分の心臓がもたない。


アプリ上ではそろそろ駅に着きそうになり、
辺りを見渡すと駅の看板があった。


「今日はぐっすり眠れそうです。」
「俺も一緒。」


改札を一緒に入って、それぞれのホームへ分かれる直前。


「じゃあ、問題。」


いきなりクイズが始まった。


「今日みたいな日のことをなんというでしょう。」
「え?今日、ですか?」


少し考えているとすぐにカウントが始まる。


「3,2,1…正解は、記念日と言います。
 付き合った記念日ね。」
「あー、記念日!
 何か友達から話で聞いたことあります。」
「めっちゃ、他人事みたいだけど、
 俺たちの記念日だからね。」


笑いながらふくらさんが言う言葉が
どれも自分の身に起きていることとは思えず
変な感覚で聞いていた。


「あ、そうですよね。
 私とふくらさんが付き合った記念日か…」


自分で言っといて赤面する。


「じゃあ、また、明日。」
「はい、お疲れ様でした。」


手を振ってお互いに背を向けてホームへと歩き出した。

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作品ジャンル:恋愛
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琥珀(プロフ) - ユメさん» このシリーズ初めてのコメントがユメさんで、最後もコメントくださって本当に嬉しいです!何とか2人を幸せのスタートラインに立たせれました!そうなんです!首を触る癖めちゃくちゃいいんですよね〜最後まで読んでくださって本当にありがとうございました! (12月16日 21時) (レス) id: 5ab7100f31 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - fkrさんの首に手を当てて話すクセ、魅力的ですよね(完結おめでとうございます! 最後までてえてえたっぷりで大満足です!) (12月16日 16時) (レス) @page42 id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:琥珀 | 作成日時:2023年9月17日 23時

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