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スマホで時間を確認しながら、撮影部屋をうろうろする。
Aさんから誘ってくれたのは初めてで、
昨日の今日で誘ってくれたということは、
返事が聞けるということなのだろうか。
でもまあ、返事といっても、
俺が、一方的に気持ちを伝えただけだから、
やっぱり自分からもう一回伝え直すか。
自分が言い出した１０分の猶予の時間は
すぐに過ぎ去ってしまって、自分のデスクに戻る。
彼女は、かばんを膝に抱えて、スマホを触って待っている。
「ごめん、お待たせ。」
「あ、全然です。私も今、仕事区切りついたので。」
自分も荷物をまとめて、一緒にオフィスの外に出た。
どこへ向かおうか一瞬迷ったけど、
「一緒に帰ろう」と誘われたからには駅に向かうしかない。
しかも、そうなると改札に着いたらもう違う方向に向かうから、
話せる時間は少ししかないことに気づいた。
「「あの。」」
オフィスを出てすぐ２人の声が被った。
「すいません、なんですか？」
「ううん、Aさんから、どうぞ。」
彼女は一息置くと、話し始める。
「昨日は、ありがとうございました。
晩御飯、楽しかったです。」
「それは、こちらこそ。」
また、少し間が空く。
「あの、その…すいません。
何て話せばいいか分からなくて。」
「昨日の、最後の話のことだよね？」
「はい…そうです。」
沈黙を挟みながら話していると、
すぐに駅についてしまった。
「俺も、昨日のことちゃんと話したくて、
ちょっと歩かない？」
「はい。」
駅を通り過ぎて、人気のない道を選んで、
２人並んで進み始める。
「昨日は、言うだけ言って帰ってごめんね。
お酒も入ってたけど、Aさんのこと、
好きっていうのは本当で。」
「はい。」
「その…この前みたいなデートとか
これからも２人でたくさん行けたらなと思って。
だから、付き合ってほしい。」
そう言い切って、横目で彼女を見るけど、
真っすぐ前を見たまま、歩いている。
「はい。」
少しして、彼女からそう返事があって、
これは承諾の「はい」なのか、相槌の「はい」なのか、
よくわからず次の会話に進めず、沈黙に飲み込まれる。
「私の今の気持ち言っていいですか？」
「え、ああ、もちろん。聞かせて？」
彼女の言葉から相槌の「はい」だったことが分かって、
少し緊張が増す。
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琥珀(プロフ) - ユメさん» このシリーズ初めてのコメントがユメさんで、最後もコメントくださって本当に嬉しいです！何とか2人を幸せのスタートラインに立たせれました！そうなんです！首を触る癖めちゃくちゃいいんですよね〜最後まで読んでくださって本当にありがとうございました！ (12月16日 21時) (
レス) id: 5ab7100f31 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - fkrさんの首に手を当てて話すクセ、魅力的ですよね(完結おめでとうございます！ 最後までてえてえたっぷりで大満足です！) (12月16日 16時) (レス) @page42 id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥珀 | 作成日時：2023年9月17日 23時
