検索窓
今日:40 hit、昨日:12 hit、合計:22,932 hit

20 ページ20

〜fkr side〜


昨日、自分の気持ちを伝えてしまったのはいいものの、
終電で何の返事も聞かず今日を迎えてしまっている。

会ったら何を話そうか。
考えを巡らせながらオフィスに着くと自分の席には
先客がいた。乾だった。
いつもなら何で?と思うが今日は居てくれて有難い。

荷物だけ置いて、そのまま河村の座っているソファへ向かった。
パソコンを広げて打ち合わせをしながら、
徐々に仕事の頭に切り替えていく。


「そろそろ撮影いいですかー?」


奥の方から声がかかって、数名が撮影部屋へ向かう。
自分もそのうちの1人。

そこからは撮影、打ち合わせ、撮影と
息つく暇も無く仕事をこなす。



夕方になり、少し休憩が欲しくて、
自分の席に座った。
背もたれに体重をかけて、ぐーっと背伸びをする。

何も考えずふと横を見ると
Aさんとばっちり目が合ってしまった。



「お疲れ様です。」
「お、お疲れー。」



案外Aさんは普通に話しかけてくれて、
俺の方が挙動不審だ。



「忙しそうですね。」
「今日は、バタバタしてるかな。」
「まだ撮影ありますか?」
「うん、次最後もう1本あるよ。」
「そうですか。」



彼女は何かを言いたそうな気がしたけど、
隣の松田さんからの呼びかけで会話は中断された。



「これなんですけど、
 もう少し分かりやすくなりませんか?」
「すいません、前年度の資料に則ってやったんですけど。
 どこが分かりにくいですか?」


彼女はメモ帳を開いて、松田さんの言ったことを
書き取っている。



「明日までに直しときます。」
「お願いします。じゃあ、お疲れ様です。」
「お疲れ様でした。」


そんなやりとりの後、すぐに松田さんは席を立ち、
オフィスから出て行った。


「え、松田さん、何か用事?」
「いえ、もう定時だから、帰ったんだと思いますよ。」
「さっき、資料の修正頼まれてたけど。」
「あれは、私の管轄というか一応仕事分担してて、
 松田さん、仕事早いから定時余裕なんですよ。」


私も見習わないとな、と呟いて、
さっきの資料に目を通しているAさん。
無理はしないようにと、声をかけようとすると
それを見透かしたようにこちらを見る彼女。


「あ、私全然大丈夫ですよ!
 昨日もお酒の力でめちゃくちゃぐっすり寝たし
 まだまだ働けます。

 あ、やっぱり残業ばっかりしてたら
 怒られちゃうので、早く帰りますね。」


そういうと、伊沢の方にちらっと目をやり、
にこっと微笑んだ。

21→←19



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (48 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
176人がお気に入り
設定タグ:QK   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

琥珀(プロフ) - ユメさん» このシリーズ初めてのコメントがユメさんで、最後もコメントくださって本当に嬉しいです!何とか2人を幸せのスタートラインに立たせれました!そうなんです!首を触る癖めちゃくちゃいいんですよね〜最後まで読んでくださって本当にありがとうございました! (12月16日 21時) (レス) id: 5ab7100f31 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - fkrさんの首に手を当てて話すクセ、魅力的ですよね(完結おめでとうございます! 最後までてえてえたっぷりで大満足です!) (12月16日 16時) (レス) @page42 id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:琥珀 | 作成日時:2023年9月17日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。